中国地方弁護士会連合会 シンポジウム 報告 その2

Enseki-news 号外-009 20171101
2017年11月1日
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中国地方弁護士会連合会 シンポジウム 報告 その2

中国地方弁護士会連合会・広島弁護士会主催のシンポジウム『 フェアな刑事手続きを目指して 』~人質司法と
取調べ・接見における問題点~ が2017年10月13日(金)広島市中区ANAクラウンプラザホテル広島
3階 オーキッドで開かれました。
シンポジウムの様子はその後、毎日新聞10月20日(金)の朝刊に記事掲載されました。

以下、毎日新聞から。

捜査の課題識者ら議論 中区弁護士会連合会シンポ

中国地方弁護士会連合会主催のシンポジウム「フェアな刑事手続を目指して」が中区のホテルであり、窃盗罪
に問われ、今年3月に最高裁で逆転無罪判決を受けた元RCCアナウンサーの煙石博氏らパネリスト5人が、取
り調べの問題点など捜査の課題について議論交わした。
 成城大の指宿信教授が基調講演で、取り調べの可視化の「量と質」を保つ必要性があると指摘。可視化対象事
件を拡大するとともに、弁護士の立ち会いを認めて質を向上していくべきだとした。
 煙石氏も弁護士の立ち会いの必要性を訴えた。逮捕時に警察官から机を叩くなど威圧的な言動をされた経験を
明かし、「弁護士がいればこんな取り調べは受けなかったはず」と述べた。ー方、新たな刑事司法のあり方を議
論した法制審議会の特別部会の委員を務めた映画監督の周防正行氏は「審議会では密室が真相解明機能を果たし
てきたと主張する捜査機関側と話がかみ合わなかった」とし、「立ち会いは今後も認められないと思う」との見
方を示した。
また、日弁運の中本和洋会長はシンポジウム後の記者会見で、安倍晋三首相が提案する改憲議論に触れ、「賛
成、反対双方の観点から法的問題点を指摘できるよう準備を進めている」と明らかにした。(東久保逸夫)

また、中国新聞10月27日(金)の広場欄に寄稿がありました。

 冤罪体験談 怖さ痛感 労働相談員  内谷富雄 71歳

中国地方弁護士会連合会が広島市で開催した「フェアな刑事手続きを目指して」と題したシンポジウムを聴い
た。
4年半におよぶ元中国放送アナウンサー煙石博さんの警察、検察、裁判所との心痛い格闘。
映画「それでもボクはやってない」の周防正行監督の防犯カメラに対する過信への警告など、示唆に富んだ話
は私の胸に突き刺さった。
警察、検察、裁判所の判断はすぐに報道され、庶民はそれを信じるしかない構図。しかし、一方で冤罪を生む
機関であることを目の当たりにし、強く根深い怖さを感じた。
 煙石さんの体験が示している通り、冤罪の危険性は、警察、検察、裁判所への疑念を抱かない社会では、いつ
誰に降りかかるか分からない。留置場、拘置所に閉じ込められ、通常の精神を維持できるだろうか。
冤罪を疑う弁護士、国民が多数派であることを願わずにいられない。そのためにも煙石さんの体験を多くの人
に聞いてほしい。 ( 広島市東区 )

シンポジウムに参加された方からの感想

〇先日(10/13)のシンポジウムでは、大変お疲れのことと思います。
内容がとても素晴らしかったので、心に強く印象づけられることがたくさんありました。
煙石さんはもっと発言したかったのだろうと感じましたが、適切にまとめた内容で感心しました。
何か記憶の隅に残っていることなので定かではありませんが、<神様は人間にさまざまな試練を与えるが、その
人が乗り越えられない試練はない。>という話です。
濡れ衣を着せられ、長い年月、様々な差別と偏見の中での闘いは、煙石さんだから乗り越えられたことだと思い
ます。
「今日のようなシンポジウムの機会を通して、煙石さんの体験と気持ちを発言すること」が、これからの煙石さ
んの役割だと感じています。
お互い健康に気を付けて、《やりたいこと・やるべきこと》をやっていきましょう。
( 呉市の方より )

〇10月13日の中国弁護士大会本当にお疲れさまでした。色々と勉強させていただきました。
違法で、旧態(古い体質)の警察官の取り調べ方法に唖然とし、怒り軽蔑の念に駆られました。密室で、権力を
笠に着た刑事の言動は許せません。
参加された多くの弁護士諸先生にも、煙石さんの生々しい発言で大きなインパクトを与えたと思います。
11月の東京でも頑張ってください。くれぐれもお身体を大切にしてください。
 ( 広島市安佐南区の方より )

シンポジウムの報告ニュースを読んだ方からの返信

〇先日、弁護士をしている主人の姪に会うことがあり、煙石さんのことを話しました。一審の前に相談したこと
もありましたが、とても驚いていました。
商事法務が専門のようで、彼女は先の最高裁の無罪判決のことは知りませんでした。専門家でもそういう意識の
低さなのかと正直がっかりしました。
早速、東京のシンポジウムのことを知らせておきます。
広く世間に知ってもらうためにも、大変でしょうが煙石さんのお力が必要と思います。
奥様ともどもどうかお身体に気を付けられて、無念のご体験の実情を広く世間に知らしめてください。
 ( 広島市安佐南区の方より )     

〇シンポジウムの様子をお知らせいただき有難う。大きな行事なので心配していました。
盛会で、毅然とした対応がうかがえ嬉しく思います。
次、又、東京ですね、中々何もなかった煙チャンには戻れませんね。
不思議な人生ですね。全く想像しなかった流れ、誰に導かれているのでしょうか。
全ての事への対応は煙石さんの能力で十分と思いますが健康にだけはご留意ください。
お会い出来る日を楽しみにしています。
( 千葉県の方より )     

〇13日は行けずに申し訳ありませんでした。
ともかく、4年半はご苦労されたと思います。これからも、冤罪被害者がこれ以上生まれない様に頑張ってくだ
さい。見る人は必ず見ています。
( 京都府の方より )

〇シンポジウムの号外を送って下さりありがとうございました。煙石さんの想像を絶するたいへんな思いが伝わ
ってきました。あまりにも理不尽な出来事に言葉を失いました。警察の存在意義は何でしょうか?無罪の人を罪
にすることでしょうか?私も怒りでいっぱいです。お体には気をつけて下さい。
( 山口県の方より )

     
パネルディスカッション 登壇者
会場は満席。弁護士先生287名 一般107名( 内、煙石博さんの無罪を勝ちとる会」メンバー44名 )
        来賓者42名、マスコミ9名  計445名 (事務局発表)

「 伝馬船かボートで太平洋をこぎ渡った思い 」

煙石博さんはシンポジウムを終えて、不当な逮捕から無罪判決を受けるまでの約4年と5カ月の日々を「家内と
息子を巻き込み、伝馬船(てんません)かボートで太平洋をこぎ渡ったような思いです」と振り返り、「私の
ような冤罪の被害者が私のあとに出ないよう願うばかりです」と訴えていました。
「私には専門的な話はわかりませんが、多くのみなさんが力を合わせて、いい方向にかじを切ろうとする熱気を
感じました。日本の警察や司法が少しでもいい方向に行くように、弁護士の先生方には頑張って頂きたいです」と。
煙石博さんは11月7日にも東京都千代田区の弁護士会館で開かれる日本弁護士連合会主催のイベント「全国冤
罪弁護団連絡協議会第26回交流会 防犯カメラと冤罪-監視社会化を考える」に参加し、事件の報告を述べます。
(詳細は以下のURLをクリックしてご覧ください。
    https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2017/171107.html

チラシは下記をクリックしてご覧ください。

全国冤罪事件弁護団連絡協議会の交流会「防犯カメラと冤罪-監視社会化を考える」

煙石博さんのブログから

2017年11月1日 中国地方弁護士会連合会シンポジウム  ありがとうございました

先日はANAクラウンプラザホテル広島での中国地方弁護士会連合会のシンポジウムに弁護士さんは勿論、
多くの一般参加も頂き、会場は満席となりました(事務局発表:445名)。
 ホッとすると共に嬉しいエネルギーを頂く事ができました。皆様に心からお礼を申し上げます。
 このシンポジウムに続いて、今度は日本弁護士会主催の全国冤罪事件弁護団連絡協議会の交流会に参加し、弁
護士の久保豊年先生の報告と、私は、私の冤罪の場合、防犯カメラがどうであったか真実を報告する事になって
います。
 この交流会のテーマは「防犯カメラと冤罪-監視社会化を考える」です。
日時は、11月7日(火)13:00~17:00で、会場は東京霞が関の弁護士会館ですが、参加費無料、事
前申し込み不要です。東京にお知り合いの方がいらっしゃれば、PRをお願いします。
 ところで11月は、7日が立冬で、暦は、早くも冬を告げますが、自然界は、今年のフィナーレに向けて、つ
かの間の美しき紅葉を演出し、私共の目も心も癒してくれます。

 近所で、もう石(つわ)蕗(ぶき)の花が咲き始めているのを見かけました。
     露の世を生くる孤独や石(つ)蕗(わ)の花     ひろし
 広島のおでんの老舗たぬきさんが閉店されて、本当にさみしくなりました。

 辛い裁判が続いている時に、夫婦で立ち寄った時の一句です。
      逆境を味(あじ)はふ妻とおでん酒       ひろし

                                   煙石 博 

 

みなさん 逆転無罪判決 ご支援ありがとうございました。
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煙石博さんの無罪を勝ちとる会 ホームページ http://enseki.noor.jp/ は、
当面残し、煙石博ブログ、Enseki-news 号外 を 随時発信します。 

 

 

2017年11月1日