えん罪救済の新たな幕開け  

2016年4月3日     えん罪救済の新たな幕開け
                                                     (イノセンス・プロジェクト参加報告)

近年、アメリカで大きな成果を上げて注目され、世界的な広がりとなっている「イノセンス・プロジェクト」というネットワークがあります。これは、えん罪を訴える人々を無償で支援する団体ですが、立命館大学を中心に、日本版の「イノセンス・プロジェクト」をスタートさせるというシンポジウムが、立命館大学大阪茨木キャンパスであり、これに参加してきました。弁護士さんらしき方や支援者らしき方々など130名くらい参加しておられました。

イノセンス・プロジェクト プログラム

プログラムは上記の通りでしたが、アメリカの先生からイノセンス運動の意義や救済例、成功例などを聞きました。アメリカでは、このイノセンス・プロジェクトによって、過去数十年間で、えん罪原因は科学的に究明され、刑事事件において用いられる様々なルールにも重要な変更が加えられてきて、科学的研究が、法律家・警察官・裁判官、そして法そのものにも影響を与えてきたそうです。例えば、DNA鑑定によって、すでに330人以上の人々が、雪冤されているということです。台湾の弁護士さんからも、台湾の実情と雪冤を勝ちとるまでの大変なお話もありました。
冤罪の問題は、現在、世界中で議論されていますが、虚偽の自白や、誤った科学的証拠、不適正なラインアップは、世界のどこにでも起こり得るもので、アメリカのえん罪事件の経験や教訓が、日本においても、誤判原因の解明に役立つことを願っているというようなお話がありました。
私の場合は、証拠も無いのに、「疑わしきは罰せず」どころか、疑わしくもないのに、推認で有罪。防犯ビデオにお金を盗っている映像は全くないのに、有罪。広島高裁では、防犯ビデオの死角でお金を盗ったとして控訴棄却・有罪(実際のビデオを検証しても、防犯ビデオの死角などありませんでした。)という論理矛盾と、非科学的な誤判でえん罪となった訳ですから、私のケースは、日本の警察・検察・裁判所は、遅れているどころか、とてもひどい実態であることをそのまま露呈しているえん罪であるということで、またまた怒りがこみ上げ、何とかならないものかと憂慮いたします。
 後半のパネル・ディスカッションでは、これまで実績をあげて来られた弁護士さん方による、数々の雪冤に至る、苦闘の経過をお聞きしましたが、力強く熱のこもった説明に心を打たれました。
 シンポジウムのクロージング挨拶では、「えん罪を見て見ぬふりをしてはいけません。日本では、今こうしている時も、冤罪に苦しみ、泣き寝入りをしている人がいるし、えん罪で死刑執行される人がいる事を忘れてはなりません。えん罪救済は、自分たちの問題として考えて、取り組んでいかなければいけません。」というお話が心に残っています。
 午後1時から、時々休憩はありましたが、午後6時30分過ぎまで、中身の濃い、レベルの高いシンポジウムでした。この日本版イノセンス・プロジェクトは、供述鑑定部門、科学鑑定部門、DNA鑑定部門に、それぞれ専門家のネットワークを広げて、えん罪の救済に当たり、えん罪を出さない為の刑事司法の質を上げていけたらというえん罪救済の頼もしいネットワークです。 多くの支援者・協力者を頂き、アメリカの様な成果を大いに期待します。
2016年4月4日 産経新聞    に掲載されました。

朝日新聞デジタルニュース 朝日新聞デジタルニュース に掲載されました。

  このイノセンス・プロジェクトの情報は、インターネットから福島弘増さんと、大阪の支援者水野喬さんなどから教えて頂いたものですが、水野さんには一緒に参加して頂き、ありがとうございました。
 私も早速4月2日に、申込書に必要書類を添えてえん罪救済センターに申し込みました。

煙石 博

2016年4月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : toshihiro