あれから1年

2018年3月10日      あれから1年

 最高裁での無罪判決が出たのが、昨年の3月10日でしたが、早いもので、1年。東京に向かう新幹線の車窓から、雪を頂いたとても美しい富士山がくっきりと見え、「白さも白し富士の白雪。私は無実です。」と心でつぶやき、よき判決を祈りました。 最高裁は、私に対しての一審・二審の有罪判決をくつがえして、「~被告人に窃盗罪の成立を認めた第一審判決及びこれを是認した原判決には判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があり、これを破棄しなければ著しく正義に反すると認められる。~被告人に無罪の言渡しをすべきである。
 私は、天地に誓っても、66600円を盗ってもいないのに、盗った証拠も無ければ、疑わしくもないのに、広島地裁と、広島高裁の信じられない「懲役1年、執行猶予3年」という、私にはショッキングな有罪判決を二度も受けており、司法に対する不信感は、憤りと怒りと共に私の身にうず巻いておりました。最高裁の判決は、心臓が止まってしまいそうな程の緊張の中で受けました。
 最高裁では、正義と真実に基づいた公正で良識ある判断を頂き、4年5か月にわたった長い闘いを終えました。改めて、長い間ご支援頂いた多くの皆様に心よりお礼申し上げます。

 その後、10月13日には、皆様にもご協力・ご支援を頂きましたが、中国地方弁護士大会のシンポジウム「フェアな刑事手続きを目指して」にパネリストとして参加。
11月7日には、東京で、日本弁護士連合会主催の全国冤罪事件弁護団連絡協議会 第26回交流会「防犯カメラと冤罪-監視社会化を考える」に参加して、私の冤罪事件の真実を報告しました。
私は、私だけではなく家族や友人・知人まで巻き込んでの苦しい体験から、日本が冤罪大国になりつつある事を知り、逮捕、起訴されると99.9%は有罪という有罪率には大きな問題があるという事も知って憂慮しています。私の後に私の様に濡れ衣を着せられて苦しむ方が出ないよう強く願います。私の身に起こった事は、私だけの事ではなく、私がされたのと同じパターンで、誰でも同じ目に遭うということです。安心して暮らせる日本になる様に襟を正してほしいと心から願っています。

    真実は正義の剣黄水仙     ひろし

 思い起こせば、昨年の4月、TVの取材に応じた、我が家の近く、広島の花見どころ比治山でのロケ・シーンがありました。そこは、明治28年、正岡子規が来広の時、平和な時代の広島を詠んだ一句
「鶯(うぐいす)の口のさきなり三萬戸 子規」の句碑がある冨士見展望台(安芸の小富士・似島が望める展望台)でした。その時詠んだ一句

    雪冤(せつえん)の空を気儘に花吹雪く   ひろし

あ~、今年も桜に逢えて良かった・・・また来年も・・・。「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人又同じからず」と言いますが、それでも、毎年元気で、桜と逢いたいものです。皆様も佳き春に出逢われますように・・・。私が作詞した「比治山慕情」もカラオケで・・・よろしくお願いします。

    菜の花や遊ぶ綿雲ちぎれ雲   ひろし                   

※3月12日(月)18:15~のRCCTV「ニュース6」の中で、緊急事件が入らなければ…私の事件に関して、記者レポートがある予定です。是非、クチコミでもPRしてご覧いただければと思います。
                                         煙石 博            

2018年3月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien