TBS特番「1番だけが知っている」視聴ありがとうございました

 

2018年5月21日     TBS特番「1番だけが知っている」視聴ありがとうございました

先日のTBS特番「1番だけが知っている」は、私のような被害者が出ない事を願って協力したものですが、多くの方からの反響があり、警察や司法に対する厳しい意見や怒りがたくさん寄せられました。

再現ドラマはよくできていました。ドキュメンタリーではないので・・・ここは・・・と
思うところがありました。しかし、私の怒りの部分は、よく出ており、一般向けにわかりやすく構成されていました。真実はもっとひどく、無茶苦茶でした。しかし、よくぞ私の事件を、時間もかなり取って、全国ネットの番組で取り上げて頂きました。それ程、私の冤罪事件は、大きな問題であり、警鐘を鳴らす必要があるという事だと思います。取り上げて下さった事に感謝し、関係スタッフの皆様の、数々のご苦労、ご尽力にお礼を申し上げます。

私の後に、私のような被害者が出ないように願うばかりです。ご支援下さった皆様にも心よりお礼申し上げます。

以下、私が体験した真実の部分の断片です。
 そもそも、2012年10月11日朝、突然、刑事二人がやって来て、「銀行の(小さな)支店で、客が置き忘れた(とする)封筒(お札が入るサイズのもの)を盗って、7~8歩あるいたあたりで、左手で左胸のポケットに金をねじ込んだ。」と・・・「そして、また7~8歩戻って元の記帳台の同じ場所に、市・県民税の納入書だけ残った封筒を戻した。」という奇妙な犯行ストーリーを作っており、「防犯カメラの映像に証拠が映っている。」として逮捕しようとしました。 
私は全く身に覚えのない事で、盗っていないと必死に主張しました。「防犯カメラの映像に証拠が映っていると言うのなら、それをここに持って来て見せて下さい。」と何度も頼みましたが、刑事は「見せるわけにはいかない。」と言って見せてくれず、逮捕状の呈示も無く逮捕し、広島県警南警察署に連行して、私は留置場に28日間勾留されました。

警察での取り調べは、初めから取り調べではなく、刑事が私を犯人に仕立て上げる為に作った犯行ストーリーに合うように強引に誘導し、自白ばかりを迫られました。最初、机を叩いたり押したりして・・・身が縮み上がるような、もの凄い恐怖感を覚えたので、面会の時、その事を弁護士に言うと、翌日からは机は叩かなくなりましたが、声や態度で威圧的に迫り、とても怖いものでした。私が声がかれるほど盗っていないという事を説明しても、それを全く調書には記入してくれず、「それだけ好き勝手なことを言うたら気分がスッキリしたろう。ほいじゃが、お前は犯人じゃ。マスコミが報道したけぇ、世間は皆、お前が窃盗犯じゃ思うとる。お前は嘘ばっかり言うとる。」と私の訴えは聞いてもらえませんでした。

結局、防犯カメラの映像を見せられたのは、示談をしない事に決めた後、警察では、10月28日、検察では29~31日で、しかも何カットかの短い映像を見せられましたが、お金を盗っている映像はありませんでした。
 大体、お金を盗るなら、お金の入った封筒ごと持って帰るし、証拠となる、指紋がついているかも知れない封筒を、わざわざ戻すことはしません。

また、検事は、警察の誤りをチェックする役目もあると学校で習っておりましたのに、刑事が、善良なる一市民の私に無茶苦茶な事をしているので、「刑事が間違っているので、もう一度よく調べて下さい。」とお願いし、一生懸命無実を訴えましたが、検事は「お金を盗ったか盗らないかは別にして、(私が盗ったと一方的に決めつけて)66600円にイロを付けて、きりのいいところで10万円くらい払えばすむ事です。」と、全く私の主張を聞いてくれない。そして、「煙石さんが、お金を盗っていないと主張するのは王道です。」と言って、机の上の白い紙にまっすぐな線を描き、「検事としては・・・」と言いながら、カーブの線を描き、「検事としては、お金を払って事を収める示談を勧めます。」さらに、「盗っていないと主張して裁判をしても、99.9%は有罪になる‼」と、豪語して脅迫し、「裁判をすると、死ぬまで裁判をする事になります。それで人生をダメにした人がたくさんいます。」等と言いました。
「ええーっ!そんなバカな、私は、真実お金を盗ってもいないし、盗った証拠がありうるはずがないのに・・・。」私は検事の発言に、日本の警察・検察に対する絶望的な思いを持ち、その現状に背筋が凍る思いがしました。

 裁判になって、防犯カメラをチェックしても、当然お金を盗っている映像は無かったし、しかも、お金を盗ろうとすれば、最初、問題の封筒にお金が入っているのを、中を覗いて発見している映像が無ければならないのに、それも全く無い。さらに、封筒にも納入書にも私の指紋はついていませんでした。

 私が、広島地裁・高裁で、身をもって体験した事は、日本の司法は壊れているという事でした。裁きは、崇高で高潔な方々の判断だと思っていましたが、実は、非科学的で、論理的でない、裁きとは思えない、信じられないものでした。それは、最初から私を犯人と決めて、有罪という答えになるように、小理屈、屁理屈を重ねて、一般常識では考えられない作文を書いて有罪にするというものでした。これが、日本の司法は、逮捕、起訴されると99.9%は有罪という、大問題の数字の原因だと思います。法治国家ではあり得ない事と絶望しました。

それにしても、私の身に起こった事は、同じパターンで誰の身にも起こりうる、いや、誰でも被害者にされるという大変な問題です。私の後に、私のような被害者が出ない事を切望するばかりです。

最後に、最高裁では、防犯カメラの映像にお金を盗っている証拠はないとして、「広島地裁・高裁の判断は、著しく正義に反するので、無罪‼」という、奇跡の逆転無罪判決でした。
しかし「99.9%は有罪」というのは、たくさんの冤罪が含まれており、大、大、大問題だという事を、身をもって知りました。絶対に改革してほしいと思います。                煙石 博

 

2018年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien