松橋(まつばせ)事件に思う・・・冤罪は人災・・・

2019年4月16日 松橋(まつばせ)事件に思う・・・冤罪は人災・・・

憂慮  日本の司法の有罪率99.9%には多くの冤罪が含まれています

上告してから2年5か月、最高裁の、殆ど無いという逆転無罪判決『広島地裁・広島高裁の有罪判決を認めると、著しく正義に反するので・・・無罪!!』を受けるまで、正しかるべき警察、司法が、正常に働いていない事を身をもって体験した私ですが、この3月末に、熊本地裁で、これも、本当に数少ない再審無罪が確定した松橋事件・・・宮田さんが無罪になって、本当に良かったとは思います。

しかし、冤罪被害者の宮田さんは、殺人を犯していないのに、警察による、取り調べではない無茶苦茶な自白の強要によって、論理的にも筋の通らない不自然な犯行ストーリーをでっち上げられて、殺人犯とされました。しかも、「シャツの左袖の一部を切り取って小刀に巻いて犯行に及んだ後に、燃やしたというでっち上げの自白調書そのままに殺人犯にされました。(後に、燃やしたというシャツの袖が隠されていた事や、小刀の刃の形状と遺体の傷も合わない事も判明。)

そして懲役13年、悔しさと怒りと絶望の日々を送り、服役後、冤罪を晴らすべく長い闘いを続けられたものですが、すでに宮田さんは、85歳で、認知症等の影響があり、ほぼ寝たきりの状態。もはや自ら言葉を発する事も出来なくなっています。 ・・・何とも言葉もありません。

やっと無罪が確定したと言っても、宮田さんが失った人生は戻らないし、取り返しはつきません。まさに悲劇です。どうして早く公正な、正常な裁きがなされなかったのか・・・あまりにもひどすぎます。それまでの警察、司法の在り方に怒りを覚えるばかりです。

私が体験した冤罪も悲劇で、冤罪を生み出したパターンは共通しています。(正しかるべき警察・司法が、不誠実で、公平・公正なやり方をしていません。)

私の場合の例をいくつか挙げてみます

① 私には、置き忘れられたとする封筒から、66,600円を盗る動機がありませんのに・・・。

② 防犯カメラに私が封筒からお金を抜き出す映像が無いばかりか、封筒を手にしている映像も無く、封筒には私の指紋はついていませんのに・・・。そして広島高裁では、私が封筒に触れていないという鑑定書を提出したのに・・・。

③ 仮に、お金を盗ろうとすれば、まず、封筒を手にして中を覗き、お金が入っているのを確認しなければ、お金を盗ろうとはしないのに、そんな映像は、防犯カメラの映像にはありません。

④ 「左手で左胸のポケットにお金をねじ込んだ」という、刑事が作った奇妙な犯行ストーリーを正当化する為に、家から押収したシャツの中の2枚を、3人の刑事が相談し、私の目の前で、ポケットのあるシャツを証拠としてとり上げましたが、実は、少し後に、当日、私は左胸にポケットの無いシャツを着ていた事がわかりました。

⑤ しかも、自白させる為に見せた、防犯カメラの映像の中に、左胸の近くに、一瞬、軽く左手をあてた様な奇妙なワンカットがありましたが、(しかし、その前後に、封筒からお金を抜き出したりしている様なシーンは全くありません。)その時、着ていたのは、ポケットの無いシャツだったのです。しかも、シャツの左胸に、そのワンカットだけ、うっすら黒い線が入っていて、刑事は「ポケットに金をねじ込んだ為に出来た影」と、自白を迫りました。映像を見たあるプロカメラマンは、偽造された形跡が感じられると言っていました。

結局、裁判では、私がどうやって金を抜き、どこに金を入れたかにも全くふれないで、金を盗った証拠がないのに、「記帳台の上面に触れたのは煙石だけだから、盗ったと推認」して有罪にされました。 (これもあってはいけない裁きです)

裁判の基本は、「疑わしきは罰せず」と思っておりましたが、その基本を全く逸脱して、私の場合は、「疑わしくもないのに」窃盗犯にでっちあげられたものです。(これは9回にわたる街頭行動でも、市民の皆様に訴えた内容のひとつです。)

私の冤罪事件は、殺人冤罪ではなく、66,600円の窃盗事件でしたが、同じ様に、失った人権、人生は戻って来ません。冤罪で失ったものはあまりに大きいのです。

私は、警察に逮捕され、窃盗の容疑者としてマスコミに報道された時点で、人権も人生もすべて失い、大変な絶望の淵に突き落とされました。・・・しかし、この冤罪事件に巻き込まれた為、私から去っていった知人や友人も多い中で、私の無実を信じて「それはおかしいじゃないか。そんな事はありえない。」と、ご支援下さった沢山の皆様のお陰で無罪を勝ちとる事ができました。ありがとうございました。 また、裁判で無罪を勝ちとった後も、私の人権復活の為に、陰ながらご支援下さっている皆様にも感謝しております。

私の冤罪の悲劇をくり返さない為にも、私の事件の真実を、クチコミで広げて頂ければなぁと思います。

蒲公英(たんぽぽ)の群るるは強し陽を浴びて       ひろし

青嵐(あおあらし)樹々一山(いちざん)の押し問答     ひろし

煙石 博

2019年4月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien