頼もしき草木の勢い風薫る・・・の時節

2019.5.12  頼もしき草木の勢い風薫る・・・の時節

  こんな事があってはいけない、明日はわが身と、私の冤罪事件のご支援を頂いた皆様がお元気でいらっしゃることを心より念じております。私も皆様のご支援のお陰で、”カラ”元気ではありますが、何とか元気に過ごしております。

 この時節、草木の緑が、いよいよ増して行くのがわかる毎日ですが、私が心がけている事の一つに、花のあるなしに関わらず、とにかく勢いのある草木を切り取って、いくつかの花瓶にさして部屋に置く事にしています。その部屋に入ると、空気がとても心地のよいものになっている様な気がします。

身に覚えのない冤罪の濡れ衣を着せられて、私は、広島県警南警察署に、28日間不当な勾留をされましたが、その留置場は、コンクリートの打ち抜きで、外の見える窓はなく、うす暗く、不気味で狭い、不快きわまりない部屋でした。房では、毛布1枚と、一巻のトイレットペーパーだけを与えられ、机もなく、他の物も何もありません。その留置場の1か所にある、私らを監視する警務員数人分の机にも、一輪の花も植物もなく、殺風景で冷たい空気の中にありました。

そこでは名前を呼ばれる事はなく、番号で呼ばれましたが、私は、「13号」と呼ばれていました。房は、1号から、6か7号位まであって、4は縁起が良い数字ではないからでしょうか、欠番で、その代わり、独居房の13号があてられ、その後、5号、6号と続いていました。

 この房で地獄の日々を送った後、やっとの思いで我が家に帰った時、心身共に力尽きて、疲労困憊の状態にあったわが身にとって、大変、心癒された事がありました。

 早朝、我が家の猫額の庭に出ましたら、そこが、みずみずしい空気に包まれている事に気づき、草木が出している生気を感じて、思わず、何度も深呼吸をした事です・・・。空気がとてもおいしいのです。 草木が、授かった命を、懸命に生きんとして、逞しいエネルギーを吐き出している事を実感しました。

 おかしいと思われるかも知れませんが、そういえば、小学生の時、植物は、炭酸同化作用をしていて、空気をきれいにしてくれるのだと習ったことを思い出しました。当たり前ではありますが、そんな理屈で納得・・・。

 その事がきっかけで、生け花ではありませんが、実験的に、部屋に、椿の枝や、道の辺のよもぎ、南天の枝など、元気、生気がみなぎっている植物を切って、いくつかの花瓶に投げ入れて部屋に置いています。

 1~2時間もすると、部屋の空気が、スッキリ、きれいになったような気がします。感じで表現するのはむつかしいのですが、部屋の空気が、浄化されて、みずみずしく、生き生きした気に満ちている様に思います。植物の生きんとする力強いエネルギーが放出されている様な…。毎日、水切りをしてやると、何日も頑張ってくれます。

 日本人が作り出したものに、世界に誇る生け花の文化がありますが、これは、花を見て、視覚で愉しむだけでなく、生け花の花材が、部屋の空気も浄化して、人間の健康にも役立つものだと思ったりもします。

 以前より、森林浴(フィトンチッド)が健康に良いと言われて盛んですが、道の辺のよもぎや、椿の枝などを部屋に取り込む事でも、手軽に、そんな恩恵を授かる事ができるのではないかと思います。草木の勢い・・・負けずに頑張らなければと、励まされます。

     総身を風に曝(さら)せる新樹かな    ひろし

     懐(ふところ)は程よく貧し小判草    ひろし

小 判 草
講談社「山野草たちの歳時記」より

煙石 博

 

2019年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien