2021.7.1 季節外れの野菊が咲きました。改めて、四畳半独房日記・その補足・備忘録②

 数年にわたって、苛酷で厳しい気候不順が続いていますが、俳句を趣味にしている私としても、最近は、とにかく穏やかで優しい日本の美しい四季の姿が戻ってきて欲しいと願うばかりです。 荒々しい天候不順の中で、時折、季節を間違えて咲く花を見たりしますと、草花が戸惑いながらも、懸命に生きている姿を垣間見る思いがしたりします。

 実は、私は、家のまわり等の狭い余地で、今は、余り見かける事が少なくなった野紺菊(のこんぎく)・野菊や、大待宵草(月見草)等を育てて?密かに愉しんでいますが、例年、10月過ぎに咲いている野菊の数株が、今年は、5月の初めに蕾を付け、5月半ば頃から咲き始めて、夏の昼顔と一緒に咲きました。(このブログ原稿を書いている6月25日、昼顔の花は、盛りを過ぎたようですが、この野菊は、まだまだ咲き続けています。)  
下記の写真は、6月半ば頃の昼顔と小菊の写真です。

花には、それぞれに、春夏秋冬の四季という、ほぼ決まったお座敷があるのに、例年、秋に咲いている小菊の一部が、季節を違(たが)えて、昼顔と一緒に咲こうとは…。
例えれば、お座敷を間違えた小菊姐さん(こぎくねえさん)か…。
   昼顔の座敷とられて菊の酒?   冗句ジョーク
   (朝顔に釣瓶つるべとられてもらひ水  千代女)
   昼顔の恋は短き花の宴   ひろし

改めて、四畳半独房日記・その補足・備忘録②

これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいと言う思いから書き綴っています。

 留置場を出されて検察等に移送される時は、勿論、手錠、腰縄を付けられて、朝、何人かが、物々しい感じの護送車(小型のマイクロバス)に乗せられて移送されます。

 南区宇品の南警察署から中区基町の検察庁まで、途中、富士見町の東警察署(現在は、広島駅の北へ移転しており、跡地には、ヒルトンホテルの新築工事が行われています。)や、中央警察署等に立ち寄って、検察庁に向かいます。
 身に覚えが無いのに、突然、逮捕されて 留置場に入れられた私は、二晩一睡も出来ませんでしたが、三日目の朝、検察、裁判所に送られました。

 前の日の夕方に、刑務官から「明日は、検察庁と裁判所に行ってもらうが、手錠をかけた部分を隠す布と、顔を隠す布があるので、明日の朝までに、いるか、いらないか、考えておく様に」と言われました。 
…テレビでよく見る、留置場から出て来る容疑者の姿が、何度も思い起こされて、恐ろしくもなるし、一晩中悩み続けて…迷いに迷い…いくら考えても結論が出ませんでした。
 翌朝、9時前に、鉄格子から出される時にも、まだ決断がつきません。手錠をかけられた数人が、鉄格子の外で等間隔に並ばされた時…、「そうか!私はお金を盗っていないのだから、卑屈になる事も、臆する事も無い。堂々と署を出て、護送車に乗ってやろう!と…一大決断をして「手錠を隠す布も、顔を隠す布もいりません‼」と、刑務官に伝えました。

 ところが、ところが、南警察署を出て、護送車に乗る時も、護送車が南警察署を出る時も、私が想像して恐れたマスコミのカメラは、一台もありません。しかも、途中、立ち寄った東警察署、そして、中央署を経由して、最後に基町の検察庁に到着するのですが、マスコミの取材に会う事も無く、護送車は、検察庁の裏側にある地下へのスロープを下って庁内に入り、何事も無く?鉄格子が幾つもある留置場に入れられました。
   ―続く―

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・

 ところで、これは、本当に思いがけない事だったのですが、少し嬉しく驚いた事でしたので、ご報告までに書かせて頂きます。
 我が家では、NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」を、よく見ますが、6月18日(金)の夜(翌朝、再放送されました)の放送を見ていると、25分位の所で、「裁判で、勝訴や無罪の紙を持って走っている人って誰?」というテーマになって、その時使われた映像3例のうち、その最後の所で、「世間の注目度が高い裁判」という見出しが出て、私共が、2017年3月10日、最高裁での逆転無罪判決を勝ちとった直後、私の無罪を勝ちとって下さった久保豊年弁護士と、「煙石博の無罪を勝ちとる会」の会長、そして私が、最高裁判所前で「無罪」の布を持った、あのシーンが放映されました。わずか5秒でしたが、本当に思いがけない映像を見せられ、…一瞬、嬉しく驚きました。
あれから4年になりますが、当時の事が鮮明によみがえります。
私共が、皆様のご支援を頂いて闘った冤罪裁判の逆転無罪は、私の後に、私のような被害者を出さない為にも、大変に意義ある事だと思うところです。改めて、皆様のご支援にお礼を申し上げます。有難うございました。深謝。

※上の写真は、幕末の黒船騒動の頃に渡来したと言われる、北米原産の大待宵草(オオマツヨイグサ)。一般では、月見草とも呼ばれて親しまれていますが、竹久夢二の「待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ~」と歌われた宵待草は、この花。
又、太宰治宵待草と書いたのも、このオオマツヨイグサだったのでしょう。
この花も、今年の開花が早く、最初の花が咲いたのは、6月16日朝、一株だけ、雨の中で咲いていました。この株は、今も咲き続けています。
ちなみに、この花は、夜の8時過ぎに咲き初め、10時頃咲き揃って夜を咲き続けますが、花の命は、翌日の昼過ぎ…。
     一夜ひとよさの夢見心地の月見草   ひろし

皆様のご健康をお祈りしています。    煙石 博 

2021年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien