広島高裁控訴審第2回公判

●2014.7.8 広島高裁控訴審第2回公判後の記者会見 
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Q 主任弁護人久保豊年弁護士から(以下Q)の尋問
  鑑定人の経歴は?
A 鑑定人の証言(以下A)
  平成18年頃から画像解析の仕事をしています。
  現在、日本法科学技術学会、日本犯罪学会の正会員です。
  両学会とも、科捜研、科警研、大学の教授などで構成されています。学会員に入るには審査が厳し
  いです。

Q 仕事の実績を見ると、裁判所、検察、警察からの依頼が多いのですが?
A 先ずは、実績があります。鑑定書では104件。現時点では121件~130件。
  科捜研、警察の鑑識部門は下記のような制約があるので、我々の民間鑑定研究所に依頼が来ています。
   人員が不足している。画像解析には時間がかかる。
   予算が限られているので、画像解析に必要な、ソフト・装置が無い場合に、すぐに調達できない。
   フリーソフトを使用できない。(制約がある。)

Q 今回の画像解析の着目点はなんでしたか?
A 『煙石さんが封筒に接触していない』点です。
  被害者Aさんが置き忘れた封筒の位置
  銀行員Bさんが拾った封筒の位置
  この封筒が置かれた位置に煙石さんの手が接触できたか?です。
  この解析には「幾何変換、スムージング」という手法を使いました。
  1カメラ、2カメラと2方向からのカメラ映像から画像を正円に近づけていました。
  1方向からの映像では、正円は楕円形に表示されますが、2方向からの映像を重ね合わせてゆくと、
  正円に近づけます。
  この手法で、Aさんが置き忘れた封筒の位置とBさんが拾った封筒の位置が一致しました。
  また、煙石さんが記帳台で作業していた位置からはこの封筒が置かれた位置には手が届きません。
  封筒が置かれた位置に手を伸ばすには身体を前屈させないと届きません。
  煙石さんが身体を前屈している姿勢は確認出来ませんでした。
  このことにより、『煙石さんは封筒に接触していない』ことが証明出来ました。
   
  この解析に使用した「幾何変換、スムージング」という手法は、埼玉県警から依頼された「殺人事件の
  画像解析」で証明した実績があります。

Q 画像解析の画像化とは?
A 今回提供された画像は松下パナソニックのH3Rシステムの画像でしたが、Mpegに変換出来ません
  でした。
  先ずは、提供された動画の1枚1枚 ワンフレームの画像を切り出し作業をしました。
  そして、ガウス処理によって鮮明化しました。
  ガウス処理とは、ぼやけた画像を鮮明化する手法です。

Q 差分情報とは?
A フォットショップというソフトを使用しました。被害者が封筒を置き忘れた時の封筒が置かれた位置の
  画像と煙石さんが記帳台から離れた時の封筒の位置の画像を分析しました。
  分析した結果は『封筒は動いていない』結果が出ました。
  ということは、『煙石さんは封筒に接触していない』のです。

Q 封筒には、1万円札が6枚、千円札が6枚、500円硬貨が1枚、100円硬貨が1枚入っていたと、
  認定されていますが?
A 『イメージソフト』を使用して、画像分析しました。
  結果は「封筒には硬貨が入っていなかったと推定されます。」
  封筒に硬貨が入っていれば、その部分のふくらみがあり、影が生じますが。その影は見つかりません
  でした。

Q この鑑定に要した時間は?
A 1日8時間、二人がかりで、3週間です。

  この後、検事からの反対尋問でしたが、多分に的はずれの、中身のない尋問に終始し、時間が延びて
  しまい、次回の公判に引き続き、鑑定人への証人尋問が行われることになりました。
  
  裁判長は、次回公判は、8月26日(火)15:00~16:00としました。

   
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記者会見で北村弁護士の報告


公判後の記者会見では、主任弁護人久保豊年弁護士は所用で欠席でしたので、北村明彦弁護士から法廷での感想を次のように報告されました。

今日、控訴審の第2回公判が行われました。『煙石さんが問題の封筒に触っていない』という鑑定をして頂いた鑑定人の方の尋問を行いまして、こちらの質問に対して、『完璧に鑑定した結果、煙石さんは封筒に触っていないという鑑定書であると』いうところまで進行しました。が、検察官において、反対尋問をしましたが、私、久保豊年弁護士、煙石さんからみれば、多分に的外れで、中身のない尋問だと思われる部分がありまして、時間が延びてしまいました。次回の期日に、引き続き鑑定人への尋問を行いまして、煙石さんの無罪を勝ち取るべく、煙石さんの無罪を証明する鑑定書を裁判所に採用して戴くよう、努力していく状況です。
証人の鑑定人は真摯に、検察官からいろいろと挑発されながらも、真摯に答えてくれました。また、検察官の反対尋問に対する鑑定人の答えを聞いて、裁判官がうなずいている場面も少なからず見られました。勿論、3人の裁判官の心証、すなわち、胸の中は私どもには判りません。しかし、皆様のご尽力を得て、我々が戦っていけば、必ずや真実が、裁判官の心に響くのではないかと、それを信じて煙石さんも日々頑張って居られますし、我々も努力しておりますので、引続き、ご支援をお願いしたいと思います。この鑑定人の鑑定書が採用されれば、煙石さんが願う判決に、一歩近づくという事が、言えることが出来ますので、次回の公判期日にはなんとしても、鑑定書を採用して戴けるように、さらに準備をして、臨み、鑑定人への尋問を継続して行って、なんとしても、煙石さんの無念さを、はらす鑑定書を採用して戴くよう努力したいと思っています。

煙石博さんからの挨拶

今日は大変お忙しい中、また台風の進路が気にかかるこの時期に足を運んで下さりまして、誠にありがとうございます。皆さんのご支援が、私ども冤罪裁判を闘っております私どもには大きな力となっております。それから私の無罪を勝ち取る会のみなさんを中心に署名活動をしていただいておりますが、すでに沢山の署名を頂き、これも、私らの闘う勇気と元気を頂いております。本当にありがとうございます。私のこの冤罪は、私自身の事だけではありません。明日は、私と同じように無茶苦茶な、理不尽な、冤罪に苦しむ人を作ることにもなりかねません。そう、心に思いつつ、頑張っております。これまで通り、無罪を勝ち取るまで、どうぞ、私どもをご支援戴きますようによろしくお願いいたします。そして、今日の法廷を傍でじっと聞いておりましたが、なんと、その検察官の理不尽で、不合理な、屁理屈のような繰り返しで、ちっとも法廷は前に進みませんでした。結局、時間オーバーになりまして、記者会見の時間も短くなりました。悔しくて仕方ありません。私は、今、やり場のない、憤りでいっぱいです。私は、お金を盗っておりません。無実です。私のような冤罪に苦しむ人が、この後出ないことを願いつつ、もうしばらく、闘って参ります。今日は、みなさん、お忙しいところ本当にご支援ありがとうございました。お礼を申しあげます。(立ち上がって、お礼。会場からは、拍手・拍手が続く。)

次回の公判は、引き続き、鑑定書を作成した鑑定人への証人尋問が行われることになりました。
裁判長は、次回公判は、8月26日(火)15:00~16:00としました。

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