2022.4.1(旧暦3月1日)大変心配していた事…。独房日記・備忘録⑩「これも、怖い話」

2022.4.1(旧暦3月1日)大変心配していた事…。独房日記・備忘録⑩「これも、怖い話」

 私は、現役のアナウンサー時代、俳句が趣味だった事もあり、番組の中で、四季の移ろいに気を配り、草木の育つ様子や、花の咲く時季等について気を遣っておりました。
その為、明治以降に使い始め、今も使っている世界共通の「太陽暦」と、それ迄、千年以上、日本で長く使われて来た暦、つまり、旧暦と言われる「太陰太陽暦」(月の満ち欠けと、太陽の動きから計算された暦で、日本の自然、農業、漁業、気候を理解する上で、とても大切なもの)と突き合わせながら、一年を観察しておりました。

 そんな訳で、私は、新暦に旧暦を記した暦を使った後も、かなり前のものも保存しておりますが、その暦を振り返って展げて見ますと、この10年余り前より、季節の移ろいが、自然歴の旧暦でも納得できない程の異常気象の連続だった事を、改めて確認しました。

 ちなみに、東日本大地震・津波に見舞われたのが、2011年(平成23年)3月11日でしたが、私の暦の記録メモを見ると、その前の年2010年には「著しく天候不順の年。残暑がいつまでも続き、秋が無くて、12月に入っても暖かく、一度に冬が来た」と、初めて異常気象としてメモしています。(その前の年までの暦には、取り立てて、そんな異常気象のメモはありません)
 その翌年、2011年3月11日に、東日本大地震・津波がありました。また、9月には、紀伊半島の大水害(和歌山、奈良、三重)があったと記しています。
 そう言えば…と、記憶を手繰り寄せ始めると…2012年9月…よみがえって来たのが、私の忌まわしい日。
 話の本筋から外れますが、えん罪史に残る私のえん罪被害、二度とあってはならないと思う一念で、敢えて筆を走らせますが、そもそも、2012年9月24日(月)、午前9時過ぎ、家の近くの地方銀行の支店に、500万円おろしに行った時(その前の週の金曜日に、月曜日の9時過ぎに、500万円を引き出す予約をしていたもの)、私が、客が忘れたとする66600円だけを盗って、証拠とされた封筒だけ記帳台に戻して帰ったというものですが、これは、初めから、でっち上げられた、有り得ない窃盗事件でした。
 それから半月余りも後の、10月11日(木)9時過ぎ、刑事2人が、突然、私の家にやって来て…盗った、盗らないで、刑事との押し問答の末、午前11時30分に、逮捕状の呈示もなく逮捕され、その日の昼前に、広島県警南警察署の留置場に入れられて仕舞いました。 そして、28日間勾留されたのち、広島地裁・高裁で、確たる証拠もないのに、信じられない懲役1年、執行猶予3年の有罪判決。そして、最高裁での、奇跡と言われる逆転無罪判決を勝ちとるまでの苦節…地獄の4年5ヵ月を経験しました。改めて、皆様のご支援に、心よりお礼を申し上げます。併せて、家族、妻子の支えにも感謝です。

 さて、話を本筋に戻しますが、東日本大地震・津波が起きる前の年、2010年から、私のメモに、異常気象と言う言葉が目立ち始めます。2013年のメモには、異常気象、夏猛暑、連日35度を超える暑さ、厳しい残暑がいつまでも続く。台風による超豪雨、竜巻等で各地に被害…。 2014年8月には、広島の土砂災害。2015年には、超異常気象、大みそかより元旦は、京都とその近県に大雪。夏は、超猛暑39.8度とか、連日35度を越える暑さで、お盆が奇妙に涼しく、その後、超猛暑(38℃~40℃)。そして、急激に涼しくなり、8月末には、10月初め頃の涼しさとなって、残暑なし。さらに、火山の噴火、異常に多し。箱根、口永良部島、浅間、桜島、阿蘇山の大噴火。9月に関東豪雨、茨城県鬼怒川決壊。10月は南米チリで、M8の大地震・津波。
 その翌年、2016年のメモには、草花の狂い咲き多し。4月、熊本地震…振り返ってみると、この10年余り前から、恐ろしくなる程の異常気象に、天変地異多発…。

 ここまで振り返ってみて、私が心配する所は、実は、昨年2021年の季節の移ろい等が、2011年の東日本大地震の前の年に似て、取り立てて異常…だった様な…。例えば、私の暦のメモに、8月9日頃、台風9号が、台湾海峡を通過したあと、変わったコースをとり、鹿児島県枕崎を通って、広島、呉を直撃。その後、妙な前線が出来て、線状降水帯…九州の豪雨、大災害…8月なのに、梅雨前線か、秋雨前線の様な前線が居座って、各地で豪雨被害。その後のメモに「このまま焼き尽くされるのではと思う程の、過酷で過激な激暑の中でのオリンピック、パラリンピック…」と記しています。
 そして、そんな夏が、8月の終わりには、スイッチが切られたかの如く、残暑も無く秋へ…」とあり、「10月になると、今度は、各地で(初めての事)、30度以上の真夏日が続く」と書いています。事程左様に、季節の混乱がありましたが、更に、付け加えると、正月過ぎても、寒波の無い冬を越して、桜の開花が異常に早く、広島が全国一早くて、3月10日だったのも昨年でした。
 つまり、昨年の気候には、2011年の東日本大地震の前の年ほどの季節の混乱があり、よもや、今年再び、そんな大地震等はと思って心配をしておりましたら、今年2022年の1月16日、トンガの海底火山の噴火・津波。1月22日、大分、宮崎で震度5強の地震。3月8日、パプアニューギニアの火山が大噴火。そして、心配していた大きな地震、3月16日、東北新幹線が脱線する程の、福島沖を震源とする、東北の福島、宮城の震度6強(M7.4)の大地震…がありました。
 これで、もう、これ以上の天変地異が起こらない事を祈るばかりです。そして、日本の四季が、昔の様な、春夏秋冬の姿やさしい移ろいを取り戻して欲しいと願っています。


          改めて、四畳半独房日記・補足・備忘録⑩「これも、怖い話」
       (これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいと言う思いから書き綴っています。)

 独房でのメモを読み返してみると、10月25日、定刻9時消灯…11時頃か、突然、留置場に押し込まれた男あり。鉄扉を閉められて、鍵を掛けられるやいなや、鉄格子を「ガチャガチャ、ガタガタ、ドンドン…」と、揺すったり、蹴ったり、敲いたりして暴れまくる男…。加えて、広島弁で怒鳴りまくりますが、私共が使う広島弁ではない、反社会的な方が使われる怖い広島弁で、「わりゃぁ~(お前は)、わしを(私を)どうするんなら(どうするのか)!! こが~な所へ(こんなところへ)押し込めや~がって!! はよ~(早く)、わしを(私を)こっから(ここから)だせぇやぁ!! お前らあ~、しご~(始末)したるどぉ~。」等と、おらび(怒鳴り)続けます。しばらく、怖い暴言を吐き続けて、房の中で大暴れ。鉄格子を蹴破って出て来そうな怖いムードでした。今夜から寝かせてもらえそうもないと、不安になって覚悟しておりましたら、ひとしきり暴れて、しばらくのち、疲れたのか、静かになって眠った様でしたが、この男、早朝に房を出されて、どこかへ連れて行かれた様でした。翌日、刑務官に聞くと、ゆうべのお騒がせ男は、酒乱の酔っぱらいらしく、留置場の、入ったすぐそばにある保護室で預かったとの事でしたが、時々こう言う男を預かるそうで、大迷惑しているとの言葉が返って来ました。これも、怖い話でした。独房日記…「かわいそうなおじいさんの話」は、次号へ続く…。       

 煙石 博

2022年3月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien

2022.3.1 住宅・ビル建築ラッシュの先は…。独房日記・備忘録⑨「刑務官も…怖い…。」

2022.3.1 住宅・ビル建築ラッシュの先は…。独房日記・備忘録⑨「刑務官も…怖い…。」

 コロナ禍のお陰で、相変わらず自粛疲れの日々を強いられていますが、私も、このところ、俳句の月例句会が、1月の新年句会に続いて、2月の句会も、お互いに高齢仲間と言う事で、用心の為、大事をとっての休会となり…モヤモヤ気分が残っています。

 どうも、句会が中止になった事で、何か無駄な時間が過ぎてしまった、惜しまれる時間の経過を感じると共に、これは、単に句会が休みになったという事だけでなく、私共にとって、いかに、人と人との交流や、そこでのコミュニケーションが大切であり、人間は、1人で生きているのでは無いと言う事を身をもって実感するところです。早く、人間らしい日常が戻って来る事を願うばかりです。

 ところで、これは、少し前から続いている事ですが、コロナ禍の中でも、相変わらずの建築ラッシュ…が続いています。家が建つ、ビルが建つ。広島の中心街、本通りも、長い間、店舗の建て替えを見る事がほとんどなく、いつも見馴れた商店街でしたが、最近になって、何ヶ所かのお店が、建て替えられているのを見掛けます。

 又、私の住んで居る南区の町内会でも、(私は、生まれた所に、ずっと住み続けている…考えてみると、原始人のままの様な気がして来ますが…)最近は、住宅の新築が目立ち、ところどころ、新しいビルも、ニョキ、ニョキと…下町の様子が少し変わって来つつあり、幼い頃から見馴れて来た町並みが姿を変えつつある事に気付き、ちょっぴり感傷的な思いもしています。
 そう言えば、広島の中心部も、基町の中央公園のサッカースタジアムの建設が始まったし、広島駅前の郵便局ビルも、かなり高階まで建設が進んでおり、戦後、幾度か姿を変えて来た広島駅ビルの新築工事も、順調に進められている気配…。

 この建築ラッシュの先にあるものは…。これは、何としても、大きく姿を変えつつある広島の、令和の新しい顔を見届けたいもの…。齢を重ねて行きますが、お互い、まだまだ、這いつくばって、頑張りたいものです。

 自然界も、草木の芽吹きシーズンを迎えます。

     酒を酌め起こしの雨ならむ   ひろし

 降る雨も、芽吹きを促す、優しい恵みの雨となりましょう。


          改めて、四畳半独房日記・補足・備忘録⑨「刑務官も…怖い…」
        (これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいという思いから書き綴っています。)

 さて、訳もわからぬままに、広島市南区の広島県警南警察署の独房に叩き込まれて、薄暗く、不快な房の中で、不安と恐怖の為に、2晩、一睡も出来ず、昂奮の中にありましたが、さすが、三日目は疲れ果てて眠りに落ちました。しかし、その眠りは、ウト・ウトするのですが、2時間おきに目覚めるという浅い睡眠状態で…、これは、房の中に居た28日間、ず~っと続きました。

 以下の話は、独居房に入れられ、「13号」と呼ばれて…数日のちの事だったと思います。

 私は、現役のアナウンサー時代、40代の初め頃から、合気道の或る先生から、集中力を高めると言う心身統一の座行・座禅の様な呼吸法を教えて頂いて、出勤日の起床時、10分間位、座禅を組む事を習慣にしていました。

 その時の私は、気が動転して混乱状態にありましたが、苦しみの中で「はっ」と我に返り、ここは、心を鎮める為にと、独居房の中で、この呼吸法を取り入れた座禅を組む事で、自分を取り戻そうと思いました。
 起床は7時でしたが、たいがい6時前には目覚めていましたから、皆がまだ寝静まっている早朝6時前の10分間くらい、鉄格子の外の方に向かって、毎朝、あぐらをかき、腹式呼吸の、心身を統一をする座禅を組みました。

 座禅を組み始めた、最初の頃…のある朝、見回りをしていた若い刑務官が、まだ寝静まっている各房を、一室ずつ覗きながら、私の「13号」の前に近づいて来ました。
 私の房の前に来て、鉄格子の中を覗いた瞬間!!。私が毛布を掛けて寝ている事を想定して覗いたのでしょう…そこには、すぐ目の前に、大仏の様に半眼(はんがん)で、こちらを向いて座っている、気合いの入った私がいて、驚き!!、一・二歩あとずさりしたあと、こわごわ、身を守る体勢で固まって、私を見据えている格好になりました。余程、驚いたのでしょう。
 むべなるかな…考えてみれば、房の中に居る者は、犯罪人と言う想定で…おとなしい者ばかりではありません。ならず者も入っている訳で、夜の看守業務は、刑務官と言えども、本音のところ、恐ろしいと言う気持ちがあっても、おかしくは無い訳です。

 しばらく間があって、気を取り直したその刑務官は、再び私の鉄格子に近づいて…「何をしているんだ!!。おとなしく寝ていろ!!。起床時間は7時だ!!。」
 私も、穏やかならぬ気分でしたが、「申し訳ありません。座禅を組ませて頂いております…」。その時の若い刑務官の、慌てて、こわばった表情は…本当にお気の毒でした。
 刑務官も、夜の看守業務は、怖さと隣り合わせでしょう…。独房日記…「これも、怖い話」次号へ続く…。

 ところで、関西に春を告げる、奈良東大寺のお水取りは、3月1日(火)から始まって、クライマックスは3月13日(日)早朝。毎年、お水取りの前か、お水取りの頃は、春がやって来る前の、最後の寒さがやって来る事が多いようです。

     水取や瀬々せぜのぬるみもこの日より   蓼太

 3月は春への目覚めの月。身の周りの、目覚め始める春のエネルギーに気をとめれば、心優しく、暖かい、安らぎを得られる筈です。

     尾道の猫も恋する寺の屋根   ひろし
     芽柳や空いっぱいの川流る   ひろし

 穏やかな春の訪れを祈るばかりです。                  煙石 博

2022年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien