防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン(案)に対する意見募集の実施結果

2018年2月5日  防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン(案)に対する意見募集の実施結果

私は、昨年12月25日に「 防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン(案)」に対する意見を広島県に提出しましたが、今年1月に意見募集の実施結果について、  
広島県警察のホームページ 
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police/boukame-guidelines.html
 に 報告がありました。意見を提出したのは5人で、12件あり、私の意見に関しても、意見内容と対応・考え方が示されていました。その結果報告は資料として参考までに別添します。

結果報告資料はこちらをクリック  →  ガイドライン意見募集実施結果

 

私の意見に関しては、意見の内容と対応・考え方の番号の5・6・7・8に掲載されています。しかし、私の意見に対しての答えは、私の真意に応えて頂けていません。
番号5 【撮影された画像の適正な管理】について、
 私の意見は、
「6(2)画像の複写,加工」に,「警察も検察も画像を加工しないこと」を追加してほしい。」でしたが、
県警の対応・考え方は
「ガイドラインは,防犯カメラの設置者等に対し,適切かつ効果的な運用を行っていただくための基本的な事項を指針として示すものです。なお,警察が押収したカメラ画像等については,証拠物件取扱保管要領に基づいて厳正に取り扱われます。また,証拠物件である画像及びそのデータの改ざんは,証拠隠滅罪(刑法第104条)に当たる違法行為です。」 として、明確に答えていません。

私の場合は、映像を警察の都合の良い解釈で切りとられ,加工されたような画像で、自白を強要されました。私は加工されたような映像を見せられて、精神的に追い詰められましたが、いくらそんな映像を見せられても、66,600円を盗っていない事は確かなので、盗っていないと真実を繰り返し訴えました。それでも私は犯罪人に仕立て上げられ、さらに検察では、ひたすら示談を迫られましたので、警察も検察も画像を加工しない事を挙げたのです
改めて申し上げます。私の場合、警察・検察が、加工したような映像を見せて、自白や示談に利用しようとしました。信じられないでしょうが、これは真実です‼

番号6【撮影された画像の適正な管理】の画像の保存期間について 
私の意見は
「事件に関わる物は,最短で1年以上,最長期間を設けない。事件が解決するまで保存し,解決後も被告人の了解があるまでマザーを保存するを追加してほしい。」でしたが、
県警の対応・考え方は
「画像の保存期間が長期になれば,画像データの漏えい等の危険性が増大することから不必要な長期保存は望ましくありません。」としています。

事件に関わる防犯カメラの映像は、絶対に必要だし、その期間に不必要な期間など決められません。また、漏洩の危険度が増大・・・とは何という事。証拠になる物を消してはいけない。事件に関する物は事件が解決するまで保存し、解決後も再審や国家賠償を闘う事も大いにあるので、
冤罪とされた被告人の了解があるまでマザーを保存すべきです。

番号7【撮影された画像の閲覧・提供の制限】について、  
私の意見は 
「7(1) 第三者への閲覧・提供」に,「冤罪防止のため,弁護士などを通じて開示すること」を追加してほしい。」でしたが、
県警の対応・考え方は
「第三者への画像の閲覧・提供は,法令に基づく場合や公共の利益のために緊急の必要性がある場合等に限定されており,閲覧等の行為自体が直ちに冤罪に結びつくものではないと考えます。」でした。

私の場合、刑事が逮捕しに来た時から、「金を盗っている所が映っている。」と言いながら、それを見せてくれず、さらに取り調べの時にも、何度も「その映像を見せてくれ。」と要求しましたが、見せる事なく、とにかく刑事が作り上げた犯行ストーリーを認めさせようとするばかりで、机を叩いたり、威嚇したりして、自白を強要され続けました。
逮捕の時から防犯カメラの映像を開示してくれていれば、こんなとんでもない冤罪に引きずりこまれてはいません。

番号8【防犯カメラ・運用規定】について、
私の意見は
「6 画像の利用及び閲覧・提供の制限」の次に「7 画像の利用及び提供」と題して「防犯カメラの映像に映っている本人からの請求があれば,映像を提供することができる」を追加してほしい。」でしたが、
県警の対応・考え方は
6(1)エに「画像から識別される本人の同意がある場合又は本人に提供する場合」として同旨の規定を設けています。」としています。
※対応・考え方の欄の最初にある6(1)エのところ、ガイドライン(案)では、正しくは7(1)エのところになりますが、「画像から識別される本人の同意がある場合、または、本人に提供する場合として、他人のプライバシーを侵害することがないよう細心の注意が求められる」というのですが、私の意見に対しての答えになっていません。

そもそも、私は「防犯カメラに証拠が映っている」という刑事の脅迫的なウソによって逮捕され、勿論、身に覚えが全くありませんので「金を盗っている所が映っているのであれば、その映像を見せてくれ」と、何度要求しても見せてくれる事なく、犯人にされたのです。

ガイドラインは、警察などからの一方的な「べからず集」だけではなくて、運用に関する、つまり、防犯カメラの設置等に関する、設置した側へのガイドラインも大切ですが、私の経験から、最も大切な事は、防犯カメラの映像の扱い方です。
防犯カメラの映像は、科学的な分析・解析と、公正・中立な検証がなされることを大前提とすること。さらに、捜査機関による映像の分析では、捜査機関側の思い込みが影響して来るので、防犯カメラによる冤罪を生み出しやすいし、防犯カメラが捜査機関側に都合のよいストーリーの補完に利用されかねません。私の場合、これらの事が全て守られていませんでした。防犯カメラを扱う側、警察や、検察においても、冤罪を出さないようにする事も、大変重要だと思って、私の体験した事を元に、意見を申し立てたものでした。私の意見に対する、県警の対応・考え方は ほとんど納得できないものです。

防犯カメラのガイドラインについては、警察だけでなく、弁護士は勿論、識者も入れ、さらに防犯カメラの専門家を加えて作成する必要があると思います。また、慎重に運用を監視する第三者機関も必要だと思います。

最後に、【その他】番号12は、他の方が出された意見ですが、「防犯カメラの映像に頼り過ぎた捜査が行われているのではないか、カメラ映像だけで犯人を決めつける捜査があるのではないかと不安に思う。」について、私も大変同感します。
県警の対応・考え方は
国家公安委員会が定めた「犯罪捜査規範」では、「捜査を行うに当たっては、先入観にとらわれず、…すべての情報資料を総合して判断する」よう規定されています。
警察では、これらの規定に基づき、捜査幹部の指揮の下、綿密かつ適正な捜査を推進しています。」と、ありますが、私の場合は、これらがほとんど守られていなかったので、とんでもない目にあわされました。

※私の身に起こった事は、このままでは誰の身にも起こりうる事で、私のような被害者が私の後に出ないようにと強く願い、意見を述べさせて頂きましたが・・・いろいろ納得できない事が多いのです。
                                       
思い返せば最高裁で逆転無罪判決が出てまもなく1年になります。(去年3月10日でした。)
鬼丸かおる裁判長は、「防犯カメラの映像には、いくら映像が荒いものであっても被告人が封筒から現金を抜き取り、これをポケット等に隠し、さらに金をぬいた後の封筒を、元の記帳台に戻す様子を確認できるものではない。」と映像を慎重に確認した上で、無罪の判決を出す大きな判断材料にしていて、判決文の結論で「被告人に窃盗罪を認めた第一審判決及びこれを是認した原判決には、判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があり、これを破棄しなければ著しく正義に反すると認められる。」として無罪を言い渡しました。

初めから防犯カメラの映像を公正・中立に解析していれば、貴重な4年5か月を失う事もなく、多大なる出費と、大きな精神的負担を背負わされることもなかったのです・・・。

                                    煙石 博

2018年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien