2020.10.1  「冤罪えんざいは人災、犯罪です。許されない‼ あえて、あの日の事を…」怒り‼

2020年10月1日  「冤罪えんざいは人災、犯罪です。許されない‼ あえて、あの日の事を…」怒り‼

 今年は、コロナ禍にあって、多くのイベントも中止され、自粛されて来ましたが、天下は、天高し…のシーズンです。しかし、私にとっては、10月は、冤罪の暗い淵に引きずり込まれた、決して忘れる事の出来ない忌まわしい月です。今のままでは、誰もが、冤罪の不幸に見舞われる怖れを危惧する処です。コロナも怖いが、冤罪も、それ以上に…怖い。

 私の時計は、2012年10月11日(木)の朝で止まったままになりました。 この日の朝9時過ぎに、家にやって来た2人の刑事(1人は、当時、広島県警本部、刑事部の警部補。もう1人は、広島南警察署、刑事課の警部補)によって、身に覚えの無い窃盗犯に…家の近くの広島銀行大河支店の狭いロビーで、客が置き忘れた?とする金を盗ったと決めつけられて、「盗った、盗らない」の2時間にわたっての、激しい遣り取りの末、盗った証拠も無ければ、逮捕状の呈示も無いまま、11時30分、自宅で逮捕されました。

 私は、何も悪い事をしていないのに、窃盗犯にでっち上げられて、今まで積み重ねて得た私の信用、信頼を、大きく傷つけられ、さらには、人との大切な絆まで壊されて、貴重な時間と、余生の為の財産も人生も失ってしまいました。

 あれから8年経っても、怒りと憤りは消え去る事はありません。
 私の冤罪の因(もと)は、刑事が作り上げた人災であり、誤認逮捕等では決して無い事は、下記の通りです。何故、こんなひどい事をしたのか、私には今でも納得できません。

 ◎「防犯カメラに金を盗んでいるところが映っている‼」「防犯カメラに証拠が残っている‼」と言って、逮捕状の呈示も無く私を逮捕したのに、防犯カメラの映像には、お金を盗っている映像はなかった。
 しかも、事件が発生したという9月24日から18日も後の、10月11日に逮捕さ れたが、お金を盗っている証拠が映っていれば、もっと早く逮捕に来れる筈。

 ◎取り調べでも、盗っている証拠があるという防犯カメラの映像を見せてくれず、机をたたいたり、押したり、威嚇・恫喝したり…盗ってもいないのに、盗った事にしろと…自白を迫るばかり。内容は全く取り調べではなかった。
 刑事は、私に手錠をかけて南署の取り調べ室に入れ、しばらくして、他の署員がいる大部屋に向かって、大声で「報道(マスコミ)は来とるかっ‼」と言ったので、「私はお金を盗っていないので、まだニュースにしないで下さい。よく調べてからにして下さい。」と懇願した。しかし、刑事は、それを無視して「マスコミはニュースを欲しがっとるんじゃ‼マスコミは、わし(私)の言うのをそのまま、たれ流すんじゃ‼」と言った。結局、取り調べもせずニュースにされた。これは私への脅迫…。

 ◎検事は、…~66,600円にイロを付けて…、キリのいいところで10万円払えば済む事です…等と、ひたすら示談を勧め、示談を断ると起訴され、28日間も勾留された。

 ◎結局、防犯カメラの映像は、示談しない事を決めたのち、10月28日に、やっと一部を見せられたが、お金を盗っている映像は無く、後に裁判になって、持ったと決めつけた封筒に、もともと、私の指紋はついていなかった事も明らかにされた。

 ◎刑事が作った、犯行ストーリーは、客が置き忘れたとする封筒を私が取り上げて、店内を7~8歩、歩いて移動した所で、中の66,600円だけを抜き盗って、市・県民税の三つ折りの納入書(セップ)だけを残した封筒を、再び7~8歩後戻りして、わざわざ、元の記帳台の、元の位置に戻したと言う、不自然過ぎるもの。
 お金を盗ろうとするのであれば、封筒ごと、密かに盗って、そのまま隠し持って家 に持ち帰るし、お金だけ抜いて、証拠になるものを、元の所に戻して帰りはしない。 しかも、置き忘れたとする封筒からお金を抜き取ろうとするのであれば、まず、封 筒を見つけたあと、封筒の中を覗き込んで、お金が入っているのを確認しなければ、 お金を盗る動機も生まれないのに、防犯カメラの映像には、勿論、そんな映像は全 く無い。

 ◎又、逮捕に来た時から、刑事は「左手で左胸のポケットに金をねじ込んだんだ‼」と、何度も言っていたのに、勾留の最後で見せられた一部の映像から、実は、着ていたシャツは、ポケットが無いシャツだった事に私が気付いた。

 その後、裁判になって、裁判官は、どこで、どう言う風にお金を盗ったかを示す事なく、「記帳台の上面に触れたのは被告人だけで、~被告人が本件封筒を窃取したという事実が強く推認される」として、私は盗った証拠も無いのに有罪にされた。信じられない。

 上記のように、筋の通らない、常識ではあり得ない犯行ストーリーを作り上げて、罪もない私を犯人に仕立て上げた刑事に対して、いつまでも怒りは収まりません。いかに、刑事のやり方が最初から無茶苦茶であったかを、お解り頂ければと思います。

 私が盗っていないと言う最高裁の無罪判決が出ましたが、考えてみると、私は、もともと封筒にも触れていないし、何も悪い事をしていない私を、何故、逮捕したのか?…しないといけなかったのか?私は絶対に犯人ではあり得ず、ある筈もない。ともかく、私は冤罪の被害者で、失ったものは大き過ぎます。

 そもそも、先祖代々住んで来た家のすぐそばの、小さな銀行支店内の狭いロビーで、多くの行員等がこちらを見ている前で、封筒から、66,600円ものお金を抜き取り、証拠となる、その封筒を、わざわざ元の位置に戻して帰るなんて事は、絶対にあり得ません。

 私の体験から申しますと、刑事の段階で真実に基づいた正しい取り組みをしていない。合理性も、科学性も無視した、誠に不誠実な対応をしている所に大きな問題があります。
 最後に、日本の司法に大きな問題がある事は、かねてより指摘されているところですが、起訴されると99.…%以上と言う有罪率は、多くの冤罪を生み続けている証でもあります。 どうも、日本の司法は、最初から、有罪に向けて作文をして行く…つじつまを合わせていくと言う事例が多く、証拠を正しく検証して、真実と正義に基づいた公正なる判断をしなければならないのに、有罪という答えを出す為に、合理性や科学性をないがしろにした、乱暴で、不公正な所が随分あると言う事も知りました。
 私のあとにも、冤罪に泣いている方が沢山いらっしゃる事を憂います。
 天高く、さわやかな10月なのに…私にとっては、忘れる事の出来ない忌まわしい10月…今回は、辛い思いの丈のブログになって仕舞いました。

 ■■以下は、四畳半独房日記より■■
 留置場に入れられ、気も動転し、孤立した混乱と不安に、眠ると殺されるのではないかと言う恐怖に震えながら、怖くて二晩は一睡も出来ませんでした。その後の日々は、うとうとしては目覚め、うとうとしては目覚めると言う、辛い夜が続きました。自白のみを迫る、取り調べではない取り調べや、地獄の毎日の中で、恥ずかしながら、朝・昼・晩の三度の食事だけが、愉しみ?…しかし、28日の勾留で3キロ瘦せていました。
私は、独居房の13号でしたが、自白を強要する為の「代用監獄」と言われる、薄暗くて、不気味な、コンクリート打ち抜きの、トイレを含めて長方形の四畳半位の部屋でした。
 この部屋には、机も無く、勿論、私物は一切持ち込めず、夜9時に、メガネと、筆記用具も没収され、翌朝7時~8時に返してくれるのですが、(夜は、薄い毛布と、一巻きのトイレットペーパーだけを与えられます。枕はありません。)そんな訳ですから、その間、筆記用具が無く、時に浮かんだ俳句は、トイレットペーパーをちぎって密かに作ったこよりで、カタカナの文字にして(看守の死角の位置に)残し、昼間、それをメモしました。

     ⊛ 「13号」と呼ばれ時雨るる鉄格子   ひろし
     ⊛ 留置場のビニル畳の秋湿り(あきじめり)   ひろし
       (毎朝、自分でビニル畳を、掃いて、雑巾がけをし、トイレ掃除もします。)
     ⊛ 房狭き掃き採るは皆木の葉髪(このはがみ)   ひろし
     ⊛ 雨水のシャバシャバと落つ秋の房   ひろし
     ⊛ 秋雨や窃盗容疑晴れぬ日々   ひろし
       (朝から秋祭りの子供神輿の声が聞こえた…)
     ⊛ 天高く地に我が疑惑はらすべく   ひろし
     ⊛ 蠅取蜘蛛(はえとりぐも)房の厠の釈迦如来   ひろし
     ⊛ 「施錠よし」と房の復唱冬隣(ふゆどなり)   ひろし

独房期間の詳細を以前掲載したものがございます。よろしければご覧ください。
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 ご支援のお陰で冤罪を晴らす事が出来ました。皆様のご健康、ご多幸をお祈り致します。

                                煙石 博

2020年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien