中国地方弁護士大会 シンポジウム 報告

Enseki-news 号外-008 20171016
2017年10月16日
http://enseki.noor.jp/

中国地方弁護士大会 シンポジウム 報告

シンポジウム『フェアな刑事手続きを目指して』~人質司法と取調べ・接見における問題点~ が下記の日程、出席者にて行われました。

日   程  2017年10月13日(金)9:30~12:00
会   場  ANAクラウンプラザホテル広島 3階 オーキッド
          広島市中区中町7-20 TEL 082-241-1111
   テ ー マ フェアな刑事手続きを目指して ~人質司法と取調べ・接見における問題点~
基 調 報告   指宿  信 (成城大学法学部教授)
パネリスト    指宿  信 (成城大学法学部教授)
                煙石  博 (RCC中国放送 元アナウンサー)
        周防 正行 (映画監督) 映画「それでもボクはやっていない」監督
               小坂井 久 (日弁連・取調べの可視化実現本部副本部長)
        井上 明彦 (広島弁護士会会員)
コーディネーター  久保 豊年 (広島弁護士会会員) 煙石博さんの上告審の弁護士
主    催     中国地方弁護士会連合会・広島弁護士会


  受付にて、参加者を迎える煙石博さん 「煙石博さんの無罪を勝ちとる会」の幟もあります

  
会場は満席。弁護士先生287名 一般107名(内、煙石博さんの無罪を勝ちとる会」メンバー44名)
        来賓者42名、マスコミ9名  計445名 (事務局発表)


  パネルディスカッション 登壇者

シンポジウムの様子は
RCC中国放送、テレビ新広島の夕方ニュースで放送されました。
広島テレビは後日放送して下さるそうです。
新聞では、2017年10月14日の朝刊に読売新聞、朝日新聞に記事掲載されました。

以下、読売新聞 から。
冤罪生まない取り調べを 逆転無罪の煙石さんら討論

 第71回中国地方弁護士大会が13日、広島市内で開かれた。3月に最高裁で逆転無罪となった元中国放送ア
ナウンサー煙石博さん(70 )を交えての公開討論会が催され、冤罫を防ぐ取り調べのあり方について
話し合った。
煙石さんは、2012年10月、窃盗容疑で逮捕されたが、一貫して無罪を主張。最高裁は「防犯カメラの映
像は(煙石さんが)封筒を取り上げる場面は確認できない」などとして無罪とした。
公開討論会では、煙石さんが県警に取り調べを受けた際の状況を説明。「刑事は、私を最初から犯人と決めつ
け、自分が作った犯行の筋書きを何とか認めさせようとした」などと述べた。
 痴漢冤罪をテーマにした映画「それでもボクはやってない」を撮影した周防正行監督は「『密室での取り調べ
は犯罪の真相解明に貢献してきた』とするのが捜査側の言い分」と指摘。自身が取り調べの録音・録画を進める
法制審議会の特別部会に委員として参加した経験から、「威圧的な取り調べを捜査員の資質の問題とするのでは
なく、チェックする仕組みや、取り調べに弁護士を立ち会わせる制度を整えるべきだ」とした。
 煙石さんは「誰もが私のようになり得る。冤罪被害者はもう一人も出てはいけない」と力を込めた。
  (2017年10月14日読売新聞より)

以下、朝日新聞 から。
取り調べの可視化対象事件増やそう 大学教授ら議論

 捜査当局の取り調べや接見の問題点を考えるシンポジウム「フェアな刑事手続きを目指して」が
13日、広島市中区であった。
中国地方弁護士会連合会が開催。成城大学の指宿信教授が取り調べの可視化(録音・録画)が、原
則裁判員制度の対象となる事件と検察官が独自に捜査した事件に限って義務化されたことについて、
対象となる事件を増やすことが必要と説明。その一方で「カメラで撮る角度やどこまでアップにする
かで映像の印象が変わる」と裁判で用いる際の危険性を指摘した。
パネルディスカッションでは、窃盗事件で無罪になった元中国放送アナウンサーの煙石博さんが
「警察が推測や思い込みで強引に話を進めた。犯人にしようとする強い意思を感じ、恐怖を覚えた」
と語り、「映像が録画されていれば、強引な取り調べはなかったのではないか」と話した。
(小林 圭)
  (2017年10月14日朝日新聞より)

 

また、煙石事件を事件の最初からレポートされている片岡健さんのレポートが弁護士ドットコムNEWSに掲載
されました。
紹介します。

 弁護士ドットコムNEWS  犯罪・刑事事件     2017年10月14日 09時48分
                   https://www.bengo4.com/c_1009/n_6801/
「警察署に今も近づけない」最高裁で無罪の煙石博さん、 残る冤罪のトラウマ

本文は、下記をクリックしてください。
「警察署に今も近づけない」最高裁で無罪の煙石博さん、 残る冤罪のトラウマ

【ライタープロフィール】片岡健(かたおか・けん)1971年生まれ。全国各地で新旧様々な事件を取材している。
編著に「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)。広島市在住。

 

煙石さんは11月7日にも東京都千代田区の弁護士会館で開かれる日本弁護士連合会主催のイベント「全国冤罪
弁護団連絡協議会第26回交流会 防犯カメラと冤罪-監視社会化を考える」に参加し、事件の報告を行います。
(詳細は以下のURL)。
https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2017/171107.html

チラシは、下記をクリックしてください。
「全国冤罪弁 護団連絡協議会第26回交流会」

シンポジウムでの 煙石さんの締めの言葉

 今年の3月10日に最高裁判所で、今日のコーディネーターの久保豊年弁護士のお力と「煙石博の無罪を勝ち
とる会」の皆さんをはじめ、沢山の皆さんにご支援頂きまして、最高裁で無罪を勝ちとる事ができました。改め
てご支援くださっさ皆さんに心からお礼を申し上げます。 <拍手>
 振り返ってみますと、私と家族、家内と息子を巻き込んでの、本当にあの…、太平洋を伝馬船かボートでこぎ
渡ったような思いがしております。本当に辛い苦しい日々でした。
 ただ最高裁で無罪を頂いたと言いましても、私はお金を盗っておりませんので、当たり前の話です。
 これは私だけの問題ではありません。
これはだれの身にも及ぶ大変な事だと思っております。
私のような冤罪の被害者が私の後に一人でも出ない事を願うばかりです。

 私は今日は司法の事はほとんどわかりませんが、一生懸命ご協力致しました。

本当にありがとうございました。 <拍手>

 

みなさん 逆転無罪判決 ご支援ありがとうございました。
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煙石博さんの無罪を勝ちとる会 ホームページ http://enseki.noor.jp/ は、
当面残し、煙石博ブログ、Enseki-news 号外 を 随時発信します。 

 

2017年10月16日