煙石博のブログ

煙石博さんはある日突然に謂われなき罪に問われ、苦しんでいます
この苦しみは彼一人だけではなく、家族の皆さんも地獄の苦しみを
味わっています
このブログでは、その時々の彼の思いを綴っています

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2023.2.1(旧暦1月11日)「心癒される…ニュースです。」独房日記は来月より…。

2023.2.1(旧暦1月11日)「心癒される…ニュースです。」独房日記は来月より…。

 実は、新年早々に知ったニュースですが、津市の地方裁判所が、窃盗の濡れ衣をきせられた男性に、防犯カメラの映像には、窃取した確たる映像は見当たらないとして無罪判決が出されたと言う報道がありました。以下、共同通信社の2023年1月4日の記事を掲載します。

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窃盗、男性に無罪判決 津地裁「犯罪の証明ない」
刑事2023年01月04日共同通信社
 津市でマイクロSDカードを盗んだとして窃盗罪に問われた同市の男性被告(56)に、津地裁が「犯罪の証明がない」として無罪判決を言い渡していたことが4日、分かった。判決は2022年12月16日付。
 判決などによると、被告は自営業の阿部和司(あべ・かずし)さん。津市の携帯電話販売店で21年11月、マイクロSDカード3個(販売価格計約6万5千円)を盗んだとして、22年2月、三重県警に逮捕された。
 中村海山(なかむら・かいざん)裁判官は判決理由で、防犯カメラ映像が不鮮明なため阿部さんがマイクロSDカードを上着のポケットに入れたかどうか判然とせず、「窃取したことが確実とは言えない」と指摘。別の人物が盗んだ可能性も否定できないと判断した。
 検察側は懲役1年6月を求刑していた。控訴期限は今月4日。阿部さんは共同通信の取材に「無罪判決で、自分がやっていないと分かってもらいうれしかった。勾留中は突然自由を奪われ苦しかった。冤罪(えんざい)だ」と話した。

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本当によかったですねぇ。お気の毒だった被告、阿部和司さんは、2021年11月に、65,000円相当のSDカード3個を盗んだとして、2022年2月に逮捕され…2022年12月16日に無罪判決が出された様ですが、よくぞ耐えて闘われました。本当に良かったと思います。併せて司法の尊厳を守られた中村海山裁判官の、合理的な正しい判断に基づく判決に、ほっとするところです。
ただ、私と同じ様に、阿部さんもですが、濡れ衣を晴らす事が出来たとは言え、逮捕された事がマスコミで報じられた時点で、社会的な不利益や、人権を失って仕舞っているという大変なリスクを背負ってらっしゃるのでは無いかと思います。これからも大変でしょうが、ご家族やご支援の皆様方と共に、頑張って頂きたいと思います。

    白梅の身に一点のけがれなし     ひろし

 ところで、私の場合、金を盗る動機は全く無いのに…しかも、鮮明ではない防犯カメラの映像とは言え、封筒から66,600円の現金を(行員がこちらを見ている狭い銀行ロビーで)抜きとって、ポケットにとり込む映像は無いのに、警察官が作った強引過ぎるでっち上げの窃盗ストーリーによって、とんでも無い窃盗犯の濡れ衣を着せられたものです。阿部さんの場合と似た点がある中で言える決定的なものは…要するに「防犯カメラの映像に、窃取した確たる証拠が無いので…無罪」とされた事です。
思いますに、私は、弁護士の久保豊年先生をはじめ、多くの皆様の5年にも及ぶ死に物狂いのご支援・闘いのお陰で、最高裁での逆転無罪を勝ちとる事が出来たもの。と同時に、私のケースは、「確たる証拠が無ければ有罪はあり得ない」と言う…良き判例を残す事が出来た事も間違いないところです。皆様と一緒に勝ち取る事が出来た良き判例が、私のあとに、私の様なえん罪が少なくなる様に…抑止力にもなって欲しいと思います。
皆様、本当に有り難うございました。いや、「~ました」ではなく、これからも宜しくお願い致します。

    風花かざはなや悲嘆に暮れし日もくや     ひろし
    白梅に酌むや偽り無き友と       ひろし

「独房日記」は、再び、次号より…。                煙石博

2023年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien

2023.1.1(旧暦12月10日)「うさぎの逆立ち(さかだち)で、耳が痛い。」

2023.1.1(旧暦12月10日)「うさぎの逆立ち(さかだち)で、耳が痛い。」

 今年は、うさぎ年。兎(うさぎ)は坂を上るのが得意で速(はや)いところから、もの事が良い条件に恵まれて、早く進む事をたとえて「兎の上(のぼ)り坂」と言う言葉があります。今年は、これにあやかって、良い年になって行きます様にと祈ります。蛇足ながら、反対に「兎の下り坂」と言う表現もある様で…。これは、兎は下り坂がにが手で、時に、あわてると勢い余って、転げ落ちる事もあるらしく、そうは、ありたくないものです。
「寝ていて転(ころ)んだためしなし…」とか言いますし、ここはおとなしく寝正月…。
     朝酒ののちは至福の寝正月     ひろし

 また、1月は、お酒を飲む機会が多く、私も「兎の逆立ちで…耳が痛い」ところですが、飲み過ぎない様、心がけたいと思います。

 ところで、年が改まったとは言え、新春、迎春、初春の様に、春を感じるには、まだまだ程遠いのが、今の新年です。
 しかし、今では旧正月と言われていますが、旧暦(明治まで使われて来た、月の満ち欠けと、太陽の動きから計算された、太陰太陽暦)の正月、この旧正月の頃には、意識していると、日差しが伸び始め、陽の光にも力が込もり始めて、何となく春へ向かっている事に気付かされます。  実は、この旧正月が、例年ですと、だいたい2月に入ってからですが、今年は1月22日(日)にあたり、過去十数年さかのぼってみても、最も早い日になっています。
つまり、寒さは別として、今年は、例年より、少し早く、光や、陽射し、日の長さに春を感じ始める事が出来るだろうと思います。お忙しい日々でしょうが、旧正月(今年は、1月22日)を意識されて、近づく春を体感されるのも、いかがでしょうか。


煙石 博
   

 年賀のご挨拶を添付致します。      

2022年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien

2022.12.1(旧暦11.8)「師走だなァ~」。四畳半独房日記⑰「メモは怒る!」

2022.12.1(旧暦11.8)「師走だなァ~」。四畳半独房日記⑰「メモは怒る!」

 今年も、何もかも混迷の不安の中を過ごして来た様な一年、気が付けば師走。新しい年も、「御破算で・・・」と言う風に、けじめの付けられそうな事はほとんど無く、スッキリしない事ばかりの混沌・混乱の時代に生かされている様な気がします。そんな時代、とにかく、皆様のご無事、ご健康を祈るばかりです。

 ところで、師走と言うと、私は、加山雄三さんのセリフ付きの歌「君といつまでも」を思い出します。~♪♪~「幸せだなァ…、僕は君といる時が一番幸せなんだ、僕は死ぬまで君を離さないぞ。いいだろう…」~♪♪~
 実は、カラオケで、このセリフの所を、「しわ寄せだなァ…僕は君と居る時が1番、しわ寄せなんだ~」とか、12月になると、「幸せ」を「師走」と、もじって、ジョークのセリフをつけて歌っていました。(笑)
~♪♪「師走だなァ…僕は12月になると、いつも、師走なんだ。僕は死ぬまで、12月になると、師走になるんだ。いいだろう…」♪♪~

 そう言えば、加山雄三さんは、今年秋、テレビ出演等の芸能活動から、ひとまず引退された様で・・・淋しいですね。又、広島に縁の深い吉田拓郎さんも、芸能活動から引退されました。吉田拓郎さんは、私と同年代で、RCC中国放送のラジオからデビューされ、全国へと飛び立って行かれました。お二人共、機会あれば、是非、お元気な様子をテレビで見せて頂きたいものです。

          改めて、四畳半独房日記・補足・備忘録⑰「メモは怒る!」
(これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいと言う思いから書き綴っています。)

 独房メモを読み返すと…2012.10.11(木)に広島県警南警察署の留置場に入れられ、不安・不眠の為、疲労困憊の中で、10月19日(金)、検察官は、間違っている悪い刑事と歩調を合わせた様に、「裁判をしても、日本の司法は、99%は有罪になるんだ‼」(この数字は、ほぼ真実だが、これも国際的な関係機関から、是正や勧告を受けている。)「裁判をして、人生を失った者が沢山いる・・・」等と、脅迫めいた言葉を投げ掛け、私の、お金を盗っていないと言う主張には、全く耳を貸さない。それよりも、示談をした有名人の例を幾つか挙げて、お金を盗ってもいないのに、先方にお金を払って示談する事ばかりを強要された。

 特に記憶に残っている言葉は、「煙石さんが、お金を盗ったか盗らないかは別にして、66,600円にイロをつけて、相手に10万円位払えばすむ事です。有名税だと思いなさい。」等と、理不尽で、納得のいかない示談を強要されるばかりで腹が立ち…心が揺らぐ。

 一方、刑事の取り調べは、1回目が、それより前の、10月14日(日)午前10時50分頃
からお昼まであった事をメモに残していますが、全く事件の取り調べではない、最初から窃盗犯と決めつけたもので、「お前は、ニュースに出たから(窃盗容疑で逮捕されたと言う、警察のでっち上げで、一方的に報道したもの)、もう、みんなが、窃盗犯だとみている。ビデオに(防犯カメラの映像に)全部写っているんだ!あなたは犯人に間違いない。私は証拠を持っている」と・・・何十枚かあるとじ込みをペラペラ繰ってみせる。(このパターンで、これまで善良な市民が、ぬれ衣をきせられて来た…と私は見ている。)

 「ビデオの証拠は最後に見せる(お金を盗っている映像は、結局なかった)。」「あなたは犯人だ」と、自信いっぱいに言う。「窃盗犯と認めれば、すぐにここを出られる。窃盗犯は、たいした事ではない。人のうわさも75日で、みんなもすぐ忘れる。」…「そんな馬鹿な話は無い!私は、無実。白さも白し、富士の白雪!」

 刑事は、確たる証拠もないのに、更に自白を迫って来ます。―――つづく―――

   我思ふ故に酒ある夜長かな   ひろし

おん身ご大切に、お元気でお過ごし下さい。               煙石 博

2022年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien

2022.11.1(旧暦10.8) 早い亥(い)の子、炉開きでした。四畳半独房日記⑯「署長巡回!!」

2022.11.1(旧暦10.8) 早い亥(い)の子、炉開きでした。四畳半独房日記⑯「署長巡回!!」

     修羅の世を置き去り秋のまつりつ   ひろし

 実りの秋10月の、町や村の秋祭りが終わり、月が変わって、早くも11月となりました。そして、7日(月)は立冬。暦は急ぎ足で冬を告げますが、自然界は駆け足でやって来そうな冬を前に、これから晩秋のクライマックスを迎えるのが11月…でしょうか。
 

「枕草子」の最初の段には「秋は夕暮れ。…」とあって、山へ沈もうとする夕日を背に、からすや雁が群れなしてゆく夕暮れの風情をたたえ、秋の趣(おもむき)は、夕暮れに限るとしているのですが、日本の古(いにしえ)より、誰もが、しみじみとものさびしい情緒を愛し、多くの和歌や俳句にも詠まれてきました。

     此道や行く人なしに秋の暮   芭蕉

 立冬を過ぎると、冬の足音も気になるところですが、時に、冷たい風も吹かず、忘れていた春の陽気を思い出させる、穏やかで暖かい「小春」「小春びより」の日々も、嬉しく有難く、刻(とき)を忘れ、ホッとさせてくれる事でしょうが、異常気象の昨今、今年はどうでしょうか。
 そう言えば、私も、広島県内の瀬戸の島、能美島の温泉で詠んだ若き日の拙句を思い出しました。

     海鳥うみどりの恋も育てし瀬戸小春   ひろし

 そんな穏やかな日々の中で、突然に冬の寒さが襲って来る事があるのが11月ですので、油断なりませんが、そう言う寒さの事を、広島の方言で「びったれおどし」と言います。
びったれは、「だらしのない者、ものぐさな者」と言う意味でしょうか。冬の準備をしないでいる、ものぐさで、だらしない人が突然の寒さにびっくりして慌(あわ)てるので、「びったれおどし」と表現したのでしょう。県北の中国山地では、早い初雪の事を「びったれおどし」と言った様です。「びったれおどし」にご用心!!

 ところで、今年は、10月の早くから、寒暖差が大きく寒さを感じる日が多くなって、少し慌てましたが、旧暦の暦を見ていて気付いた事に、旧暦の亥の子餅、炉開き(冬になって炉を使い始める日。茶の湯で、夏の風炉(ふろ)をしまい、火を使う炉を使い始める日)が、例年より早い事でした。

 旧暦の亥の子餅、炉開きは、例年だと、たいがい11月半ばか、それ以降で、たまに、11月上旬の日にあたる事もありますが、過去25年を調べてみると、今年が最も早く、10月25日(火)でした。つまり、日本の自然暦とも言える旧暦で教えられる事は、今年は、寒さが早くやって来る確率が高いのでは…と、観察していると、何となく、その様な感じになっている様に思います。
 今年もそうでしたが、我が家では、毎年、旧暦の亥の子餅、炉開きの日に暖房器具を出す事にしています。

     生くるべく山河大地の冬支度   ひろし

            改めて、四畳半独房日記・補足・備忘録⑯「署長巡回!!」
(これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいと言う思いから書き綴っています。)
 月曜から金曜まで、午後になると毎日あったのでしょう、(私も、検察や取り調べ室に行かされて房に居ない事も多いので判らない部分ですが)署長の巡回があった様です。天井が高い(そう感じていたのかも知れませんが)静かな留置場に「署長巡回!!」と張り詰めた声が響くと、勤務についている数人の刑務官が、留置場の鉄格子の入り口前に集合、整列して、敬礼をしていたかどうか…署長を迎え入れて…、各房の者へ、署長が、それぞれ声を掛けます。

 留置場に入れられて10日余りのちの10月22日(月)の私のメモに、午後2時10分、署長巡回。私の鉄格子の前に立って、「体調…大丈夫ですか?」と、小さな声…。実はこの時、心の中には怒りが渦巻いていて、「大丈夫じゃないよっ!!ええ(いい)わけないじゃろうがっ!!私は金を盗ってもいないのに、こんなひどい目に合わされて、どう言う事なんですかっ!!」(怒り)と、声を荒げて訴えたかったのですが…気分が滅入ってしまっていて、私にその勇気も無く、「はい…大丈夫です」と、従順に答えるだけ…」とありました。精も根も尽きていたと思います。

 その翌日、10月23日にも、午後1時5分、署長の巡回とあり、署長が部屋ごとに声を掛けて来て、私の所でも「寒くないですか?」…私は、この日も、何故か従順に、「はい…寒くありません。」と答えながら、心の中では、「ワシの(私の)心の中は寒過ぎるんじゃ!!」と、叫びたかった事を思い出します。今、思っても、泣きたい程の淋しさです。
              ――つづく――

 これは、本を読んで知った関東地方の話ですが、11月の酉(とり)の日に、東京・浅草の鷲(おおとり)神社等、各地で開かれる「酉の市」にまつわる言われです。
 この「酉の市」は、露店で、熊手やお多福などを売りますが、鳥が酉(とり)に通じ、それが「取り」…「取る」とシャレて縁起をかついだ、商売繁盛のお祭りだそうです。

 浅草は、その昔、遊郭を控えて盛んだったので、正岡子規に、

     吉原ではぐれし人や酉の市   子規

 高浜虚子に、

     此頃の吉原知らず酉の市   虚子

 この「酉の市」は、大抵は11月に2回ですが、今年は、三の酉があって、一の酉、二の酉、三の酉と、3回ある年は、火事が多いと言われたそうです。

 私は、これを長い間観察して来ましたが、広島でも、11月に三の酉がある年は、何となく火事が多かった様に思います。つまり、早くから寒さがやって来て、火を使う事が多いからだろうと、…思ったりします。

     妻の言ふ日暮ひぐれ日に日に早く秋   ひろし
     昼酒をひとりたのしむ冬はじめ   ひろし

 寒さに向かいますが、火の用心と、呉々もお体お大事になさってください。

                         煙石 博

2022年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien

2022.10.1(旧暦9月6日)「あれから10年…」。独房日記⑮ある日の食事メニュー

2022.10.1(旧暦9月6日)「あれから10年…」。独房日記⑮ある日の食事メニュー

 数字から受ける印象は、さまざまありますが、私が、身に覚えが無いのに突然逮捕されたのが、2012年10月11日(木)。無理やり、広島県警南警察署の鉄格子の中へ…。
 押し込まれた独房が「13号」でした。実は、私より少し前に冤罪被害者となって、後に、えん罪を晴らし、無罪を勝ちとった元厚生労働省の村木厚子さんが、大阪拘置所で「13番」の(こちらは私の“13号”と違い“13番”でしたが…)独房に入れられて居たそうです。私と同じ、「13」…「13」に込められた意味…何かあるのかどうか…。

ところで、これも、数字での印象・イメージについて、友人からのメールの一部です。

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「ワシは、1と、11と言う数字に、何かの因縁を感じている!!
2001年9月11日「アメリカ同時多発テロ(旅客機がビルに突入大惨事、他の州でも突っ込んだ)」
2011年3月11日「東北地方での大震災・大津波、大惨事」
2012年10月11日「貴兄が冤罪逮捕された日」
2017年3月11日「貴兄が最高裁で、3月10日に、逆転無罪判決を勝ちとった事が、その翌日の3月11日の新聞で報道された…。」

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 以上、私を気遣ってくれる友人からのメールでしたが、成る程、そう言えば…。有り難うございました。
 しかし、今振り返っても、凄い闘いでした。ご支援下さった皆様のお蔭で、最高裁での、逆転無罪を勝ちとれ、無実が証明されました。感謝の気持ちで一杯ですが、そもそも、2012年10月11日(木)…あれから10年たちました。しかし、あの日の朝の出来事は、毎年、秋は巡って来るのですが、何年たっても、悔しくて、腹立たしくて…。

 10月11日の、私が逮捕された日の夕方(私は既に鉄格子の中)、あとで、家族や、知人から聞き、愕然としたものですが、広島の各テレビ局のニュースで、「元RCC中国放送アナウンサー煙石博、窃盗容疑で逮捕…」と報じられ、あるローカル放送局からは、翌朝、東京のTV局(キー局)へ、「のぼりニュース」と言いますが…関東圏にまで報じられた様です。そして、当然ながら、新聞報道もされました。
 これらの報道によって、私が、それまで、正直に、真面目に、長い間、積み重ねてつくり上げて来たつもりの人格、信用、信頼、そして、人との絆が一瞬に破壊されてしまい…恐ろしい事です。これで、全てを失ってしまいます。それによる心への衝撃も大きく、私の人生をすっかり変えられてしまいました。
 冤罪は人災、まさに、凶器無き殺人です。絶対にあってはなりません。

 しかし、残念ながら、日本は、えん罪大国…の様です。
 ぬれ衣をきせられて、無罪を勝ちとるまでの大きな精神的苦痛、重圧は勿論、相当な金銭的負担…さらに、家族はもとより、多くの皆さんにかけた、お金に変えがたい労苦は、計りしれないものがあります。
 しかも、無罪を勝ちとったとはいえ、もともと、無実なのですから、当然の事…虚しいものがあります。それに、返って来たお金は、僅かばかり…だったのが、真実です。
 えん罪を出した場合は、もっともっと高い賠償、ペナルティー補償を課せば抑止力になりはしないか等と、虚しい思いを巡らせたりします…。

 今も思い出すのですが、検察庁に行かされた時、検事が自信たっぷりに、「金を払ってすまさないと、裁判になって、日本の司法は、99%以上有罪になるんだ!!死ぬまで裁判する事になるぞ」と言った恐ろしい言葉を、今でも忘れる事ができません。これは、日本では、無実の人が、いかにたくさん有罪にされているかの、あかしでもありましょうか。

 ところで、10月後半の留置場でのメモを読み返すと、「朝から、秋祭りの子供みこしの太鼓や祭笛、子供達の弾んだ声が聞こえて来る…」とありました。 当時の独房吟です。

     天高し地に我が疑惑晴らすべく     ひろし

 寂しいブログになって、ゴメンナサイ。
     
        改めて、四畳半独房日記・補足・備忘録⑮「ある日の食事メニュー」
(これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいと言う思いから書き綴っています。)

 留置場に入れられ、金を盗ってもいないのに、示談、つまり、盗った事にして(盗ったと決めつけられた66,600円に、何故か+αの金額)、10万円を相手に支払えと言う、とても納得できる事ではありません。示談に応じると、金を盗っていないのに盗った事にされ、窃盗犯にされる訳です。
 自白、示談を執拗に強要され、負けそうになりながらも…盗っていないので、自分にウソをつきたくもありません。懸命に無実を主張し続けましたら、10日間の勾留後、さらに10日勾留が延長され、結局、この20日と、何故か、さらに8日勾留され、28日勾留されました。

 そんな中の10月23日のメモに、昼食のメニューを書いていました。 
 「コロッケ、ゴボウ、オスのシシャモ(子を持っていないシシャモ)、炒り玉子、厚揚げ、タクアン2切れ、それに、これは、毎食お決まりのパターンで、ごはんの真ん中に、小さな梅干しが添えられている古典的な?日の丸弁当スタイルの幕の内弁当。」
 又、11月4日のメモには「タクアン2切れ、おかず4品と、小さな梅干しが添えられた御飯」とありますが、、おかずのメニューが豊富で、毎食、工夫を凝らしてあり、辛く、悲しい日々にあって、3度の弁当が唯一の愉しみで、大変おいしく頂きました。
 三度の食事を、おいしく、きっちり頂いた28日でしたが、留置場をあとにする時の体重測定で、何と3キロ…痩せていました。 いかに過度なストレス、心労であったか…。

これは、刑務官が私に言った言葉です。「あんたが食べる幕の内は、ワシらが食べる弁当の、「おかず」が一品か二品、少ないだけじゃ。ありがとぅ~思おて食え。」
 ―― 次号へ続く ―― 皆様には、お元気で実りの秋を満喫されます様にと思います。                        

     川風に乗る鳥一羽天高し        ひろし
     酒一合まず酌み交はし走り蕎麦     ひろし
                            煙石 博

2022年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien