2022.8.1(旧暦7月4日)涼風を乞う。独房日記⑬「毎日、午後3時…の奇妙な〇〇」  
※8月4日は、旧暦の7月7日で、明治まで受け継がれてきた、本当の七夕、星祭りです。

2022.8.1(旧暦7月4日)涼風を乞う。独房日記⑬「毎日、午後3時…の奇妙な〇〇」
 ※8月4日は、旧暦の7月7日で、明治まで受け継がれてきた、本当の七夕、星祭りです。

 コロナによる社会不安が続く中、ウクライナへの軍事侵攻に対しての怒りも加わり続け、相変わらず、いらだつ日々の中で、安倍元首相銃撃・殺害を巡る、あれやこれや…何が何だか。世界も、日本も、暗闇と隣り合わせの様な、不安で、不透明な気が漂い…あれも、これも、滅入って仕舞いそうです。(7月28日現在)

 一方で、世界各地で、暑さによる山火事が相次ぐかと思うと、近年、増々多くなって来た豪雨、水害…。日本の麗しき季節の移ろいも、すっかり狂って仕舞っている様な…本来、恵の雨も、ひとたび降り始めると、容赦ない狼藉者…そして、晴れれば命の危険を伴うと言う表現の超猛暑。
 これらは、それこそ、傍若無人を越える人間の仕業に、天の嘆きか、地の怒りか…。
 神や仏はいずこにおわすや…。

     天地あめつちの意志あるが如出水川でみずがわ   ひろし
     涼風や仏の耳の大きこと   ひろし

       改めて、四畳半独房日記・補足・備忘録⑬「毎日、午後3時…の奇妙な〇〇」
(これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいと言う思いから書き綴っています。)

留置場で、食事が差し入れられるのは、朝食が7時。昼食が12時。夜食が5時…これは、少し早いのですが、どうも、刑務官の勤務時間の関係で、時間が早いのだろうと思います。しかし、5時に差し入れられて、お腹がすかないのに、無理にすぐ食べてしまうと、消灯の9時まで房内で何もする事が無い為、余計な事ばかり考え続けるので、そのまま食べずに居ると…「はよ~食え(早く、食べろ)。」「もう少しあとで食べたいのです。」と言うと、「弁当の食器を片付けにゃ~ならんけぇ~、早う食え!!」と、指示されます。

 5時の夜食を食べたあとの、房の夜は長い…。その後は、回覧の様に回って来る遅い(読む心の余裕はない)朝刊と、NHKラジオの、朝一番のセレクトされた様なラジオニュースが場内に流されます。(日によっては、演歌かニューミュージックも流されました。)

そして、夜9時になると、眼鏡とメモ用紙、筆記用具も、係官に回収されて、(メガネも、とり上げられますので、とても不安で、不自由でした。)消灯、就寝時間になる訳ですが、それまでに、布団置き場に誘導され、自分の敷布団を房内に運び入れて、日中与えられている毛布一枚に、夜だけ敷布団が与えられますが、枕は、昼も夜も与えられません。(自殺防止の為ではないかと思われます。)

 ところで、取り調べがない時、気付いたのですが、午後3時前後になると、房の前の刑務官の机が並んでいる辺りから、しばらく、紙の袋?から、何かを取り出す様な「ガサガサ、パリパリ」という音が聞こえて来ます。刑務官の机の前には、書類が並べられていて、こちら側から、顔の目のあたりは見えますが、鼻の下あたりから体は全く様子を見る事が出来ません。ただ「ガサガサ、パリパリ…」という奇妙な音だけが聞こえて来て、とても気になっておりました。
 「何か、菓子袋をあけて、間食でもしているのか…?まさか、3時のおやつ?では、あるまいに…」と思っていましたが、しつこくチェックをして…判りました!
それは、留置場に入っている容疑者が飲まなければならない薬を、それぞれ、小さな容器に詰めかえる作業だったのです。「ガサガサ、パリパリ」に納得出来ました。つまり、薬は一度に渡されず、わざわざ、1回分ずつに分けて、用意していたのです。
その薬の、「思い出しても悲しい飲まされ方…」については次号にて!!

     物言わぬ声八月の被服支廠   ひろし
     八月や殊に命をたっとびぬ   ひろし

 お体呉々もご自愛ください。                 煙石 博

2022年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien