2024.1.1 「辰年来福、祈・諸難消除」。四畳半独房記・備忘録㉒「社会と断絶の不安」

2024.1.1 「辰年来福、祈・諸難消除」。四畳半独房記・備忘録㉒「社会と断絶の不安」

 謹賀新年。良き年であります様願うばかりですが、何があろうと、…無かろうと、月日は川の流れの様に流れ流れて行くばかり。例えは悪いのですが、歳月には後ろ髪は無い…只々、過ぎ去る月日は、引き留める事も出来ず、私共は、時の流れに身をまかせ、迎えた辰年を、前に向かって歩かせて頂くばかりです。
 このブログも、私が66,600円の窃盗の濡れ衣を着せられて、無実の主張を法廷で闘う為に、状況のご報告と、私の思いの丈を発信すべく書き始め、無罪を勝ちとれた後も今日まで続いて来ましたが、気が付くと、これまで随分な量となりました。いつも、皆様のお忙しいお時間を頂き、お読み頂く事を申し訳なく思ってもおります。

 思えば、私のえん罪も、皆様の大きなご支援を頂いたお陰で、無罪を勝ちとる事が出来ましたが、時が経つにつれて、無罪が勝ちとれて本当に良かったと言う思いが深まって来ます。ご支援下さり、ありがとう御座いました。
 もし、無実の罪を着せられたままであったら…と想像したくは無いのですが、時々思いを馳せると、どう考えても、死んでも死にきれないと言う思いに至り…その度に、背筋が凍り付き、ゾッとするところです。
 それにしても、私が確たる証拠も無いのに、全く身に覚えが無い理不尽な濡れ衣を着せられ、えん罪を体験してみて知らされた事は、日本がいかにえん罪大国?えん罪に泣かされるケースが多いかと言う事です。検察も裁判所も助けてはくれず、えん罪被害者がいかに多いか…逮捕・起訴されると有罪率99%以上と言う数字がある事も知りました。
 えん罪は他人事ではありません。今のままでは、誰の身にも起こりうる事だと思えます。「えん罪は凶器無き殺人です。」絶対にあってはなりません。私のように濡れ衣を着せられて苦しむ方が出ない事を強く願っています。留置場での拙句ですが…
     秋深く晴れぬ容疑の苦の枕     ひろし

改めて、四畳半独房日記・補足・備忘録㉒「社会と断絶の不安」
(これは、私が体験した特異で嫌な記憶を、正しく記録に残しておきたいと言う思いから書き綴っています。)
 私が、広島県警の旧南警察署(丹那町)の留置場に入れられていたのは、10月11日から28日間で、11月7日まで居たと思いますが、冷暖房は無かった様に思います。初めは季節が良かったので助かりましたが、11月にもなると、夜が冷えるものですから、家内に、ウインドブレーカーを差し入れてもらい、寒さをしのぎました。今思えば、冬でなくて、まだ良かったと思います。
また、留置場に入れられる時、すべての手荷物は取り上げられ、勿論、携帯電話は没収されて、外界と一切遮断された時の、精神的な不安と孤独感は、恐怖と隣り合わせで、大変なものでした。ただ、助けられたのは、弁護士との接見は別として、一日一回15分位の家族との面会が許された事でしたが、警務官立ち合いのチェックを受けながらの、分厚いプラスチックの遮へい板越しの会話は、もどかしいものがありました。しかも、面会は、土曜、日曜と、確か祝日も、面会がなくて、憂鬱な一日だった事を思い出します。新しい南警察署は、同じ南区の出汐町に庁舎を移して、どうなのか分かりませんが、年末そして、新年の面会がどうだったのか、知るところではありません。どうなんでしょう…。
———————良い年である事を祈ります。

     老ひて尚ねばって生きむおらが春     ひろし        煙石博

2024年1月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : masayukien